飛騨・籾糠山のヤブ尾根を歩く2022年06月26日

 久々の山岳会での登山に参加した。行き先は飛騨の籾糠山だ。この山は大昔の残雪期に猿ヶ馬場山に登るために歩いた。籾糠山は帰路に登頂した。今回は無雪期に登った。昔歩いた際にブナが豊富に茂り、藪がなく、歩けた記憶があったからだ。当時はどこまでヤブでどこから残雪を踏むとかの記憶がない。
 4時半、仲間の家に寄り合流し最終の出発地は5時にになった。東海北陸道の清見を出て県道478号を走り小鳥湖の栗ヶ谷出合いを左折。栗ヶ谷川に沿う車道を横谷の奥へと走った。
 802m地点は明るく開ける。見ると氾濫川原の沖積地だ。籾糠山に「突き上げる横谷、御前岳に突き上げるとうぞう谷、栗ヶ岳に突き上げるはげくら谷が合流している場所である。Pには先行車は2台あった。これから釣行に出発するところである。
 我々は横谷に向かった。舗装はないが落石や崩壊地はなく、安定した林道である。倒木はあったが伐られて車幅は確保できた。880m地点の2号橋まで来ると動かして移動できない落石に行く手を阻まれた。Uターンできる余地もあるのでここを出発地にした。8時過ぎである。
 地形図を見ながら何とか入り口がないものか探りながら林道を歩く。915m地点の3号橋の手前から横谷との印刷のある尾根に取り付く。急峻だが微かな踏み跡はある。助かった、と思いながら高度をあげた。1267mの独立標高点までは見事なぶな原生林に歓喜の声をあげ乍ら登った。太く、高く、白ブナが林立している。素晴らしい植生である。
 1267m以後は標高が高くなるとブナも樹高が低くなる。その分日陰になる樹木も減るから他の樹木の生長も著しく、つまり激やぶの様相である。結局1480m地点で登高を打ち切った。登山道があれば等高線が緩むから楽な歩きになるが、道がないからますます激やぶが予想されて日の長い時期ではあるが下山した。
 下山も楽をさせてもらえなかった。要所要所には赤布を付けたし、GPSもあるからスムーズに下れる見込みだったが、何度かルートを外すことになった。1230m地点では横谷側へ急に下るのでおかしいと思ってGPSを見ると尾根を外していることが分かった。戻るには急な谷の藪につかまりながら尾根に戻った。等高線がゆるいところは劇やぶなので赤い布もつける回数が少なかったのだ。見える所から見える所に付けて行かないとこんなことになる。
 尾根が狭まってくるとまた踏み跡が濃くなる。RFの技術はいつまでも上達しがたいと思う。山が変われば状況も変わる。A山で成功したからB山で通じるものでもない。