中日俳壇 4月から選者1人交代 栗田やすしさんから高柳克弘さんへ2022年03月26日

  満員の喫茶店なり春の雨  拙作

 今日は雨。まだ桜も咲いていない。咲けば花の雨になるが。冷雨なので小寒い気がする。読書に倦んだらいつもの喫茶店へ行く。Pは満車だったので公園のPに止めた。今日は週刊新潮が読みごたえがある。新聞各紙に目を通す。中日新聞では中日俳壇の選者が若い人に交代するニュースに注目。栗田先生は引退か。

https://www.chunichi.co.jp/article/441621
 本紙の俳句投稿欄「中日俳壇」選者の栗田やすしさん(84)が3月末で退任し、4月から高柳克弘さん(41)に交代する。15年にわたって担った栗田さんと、バトンを引き継ぐ高柳さんに、新聞俳壇への思いや、俳句と接するこつなどを聞いた。(谷口大河)
 
 2007年1月から選者を務めた栗田さんは、かつて中日俳壇の投稿者だった。岐阜大に通っていた学生時代、当時の選者だった故山口誓子さんに憧れて熱心に句を送った。「最初はまさか自分が選者になるとは思いもよらなかったが、長い間やりましたね」と振り返る。
 
 はがきでのやりとりしかない投稿者だが、熱心な人はやはり印象深い。「年間賞をとっても満足せず、80代、90代になっても送ってくれる方がいる。俳句を楽しんでおられるのでしょう」とほほ笑んだ。
 
 週ごとの掲載は10席まで。手元に届く200枚ほどのはがきから候補として約30句を抜き出した後、さらに厳選して決めてきた。「自分の句が載っていなければ11番目だと思い、諦めずに続けてほしい。選者が若くなるのだから、若い人もどんどん投稿を」と呼び掛ける。
 
 今後は自身が創刊した結社誌「伊吹嶺」の顧問として後進を見守りながら、自身の第六句集の準備を進める。「90歳までに出したいね」と朗らかに笑った。
 
 後任となる高柳さんは、大学時代に俳句を作るようになり、結社「鷹」に入会。主宰の故藤田湘子さんに師事し、現在は「鷹」編集長を務める。
 
 俳句に熱中するきっかけは、大学時代に寺山修司の句に出合ったこと。衝撃を受けた句に〈目つむりていても吾を統ぶ五月の鷹〉を挙げる。「天上の『鷹』と地上の『吾』をぶつけて一つの世界をつくる。前衛的なアートのようだと感じた」と振り返る。
 
 新聞俳壇を、幅広い新聞読者の新鮮な「ことば」が集う場所と捉えている。「俳句は季語と十七音の決まりさえあれば、なんでもあり。自分を主人公に、日常で心を動かされたことを素直に詠んで、普段文学に関心がない方もぜひ作ってほしい」
 
 掲載句を味わうこつとして、作者の意図を読み取ろうとするのではなく、想像を膨らませる読み方を勧める。「俳句はとても余白が大きく、読者がその余白を埋める。作者と読者の共同制作ともいえる」。詠まれた事物を思い浮かべつつ、自分が何を感じ、どう思うかを大切にしてほしいと期待する。
 
 句を詠み、味わう楽しさは、日々の見方も変える。「日常を題材に句を詠むだけでなく、句を通じて得たものを日常に持ち込むこともできる。今までとは違う発見と豊かさが手に入るはず」と話した。
以上
 藤田湘子系「鷹」編集長(2005年~)ならかなりな実力者なんだろうね。「鷹」のHPをざっと読ませてもらった。小説も書いている。2017年からNHK俳壇選者に就任している。詠むだけでなく、小説、評論などの散文を書ける実力者である。つまり理論家であり、練達の文士だから講評を書けるわけだ。ゆえに適任者として後継に選ばれたのだろう。地元名古屋には適任者がいなかったのは寂しい気がする。
 名古屋は俳句どころなのにねえ。伊藤敬子氏が死去されてちょっと影が薄くなったのか。若き実力者よ、出でよ。
 小川主宰は毎日新聞俳壇選者になっている。NHKテレビ、全国紙に選者を送り込んでおり、結構な実力結社と言える。