安倍首相辞任の波紋③桃李ものいはざれども、 下おのづから蹊(こみち)を成す ...「李将軍列伝」(史記)より2020年08月30日

 安倍首相の出身は成蹊大学というあまり聞きなれない大学です。由来は同学のHPに説明がありましたので引用しますと

「成蹊の名の由来・凝念

  桃李不言 下自成蹊
     桃李ものいはざれども、
        下おのづから蹊(こみち)を成す
...「李将軍列伝」(史記)より

 「成蹊」という学園名は、このことわざから来ています。桃や李(すもも)は何も言わないけれど、美しい花を咲かせ、おいしい果実を実らせます。すると、それにひかれて人が集まり、樹木の下には自然と蹊ができる。
 桃や李は、人格ある人のたとえで、つまり、そういう徳のある人には、その徳を慕って人々が集まってくる、ということです。
 これは、中国に古くから伝えられたことわざを、「史記」の作者である司馬遷が、李廣の人物を賛えるために引用したことから有名になったものです。」

 一度は政権を投げ出したと批判され、二度はあるまいと思っていたのに民主党政権という災厄を払拭するかのごとく神風が吹いて、政権を奪取した。
 日経平均株価は2倍に暴騰した。アベノミクスの始まりである。悪いことは何時までも続かないが反対に良いこともいつまでも続かない。今日まで7年8ヶ月の長期政権を担ってきたのは驚異的という他ない。
 ただし、外国人労働者(移民)を導入したり、消費税を10%にアップさせてしまったりと巻き戻しが始まっていたのも確かであり逆風が吹いてきた。これでは安倍首相より、先に日本国民の方が疲弊してしまった。辞任へのねぎらいと同等くらいの批判的コメントが見られるのも生活改善が出来なかったことに他ならない。
 民主主義の国では左翼メディアや評論家などからダイレクトに批判される。これは良い面でもある。余りにも大企業とくにグローバル企業によいしょしてきたからであった。消費税を上げて法人税を下げた。外国人労働者を入れて人件費を下げた。安倍首相はこれらで利益を得る政治家に取り巻かれてしまったのである。大企業経営者と大企業労組はホクホク顔であろう。
 共産党独裁のソ連は情報を隠蔽してきたからグラスノチス(情報公開)を進めたらソ連は崩壊してしまった。中国も同じ事で情報公開したら崩壊することは目に見える。したがって日本では批判は甘受することになるがストレスを受けるから溜まったもんじゃない。

 それで今後はどうなるか。安倍氏にやりたくない決断をさせてきた後ろ盾(黒幕)の政治家が表に出てくる。これで自民党はまた下野するかも知れない。否、野党がしっかりすることが前提であるが。そうなった際にやっぱり自民党だ、ここは安倍氏に再登板を願う声が沸騰するだろう。神風は日本がピンチになると吹くと信じる。