穂高連峰縦走へ2019年08月09日

 台風が2つも太平洋上でさまよっている。天気図に台風が見えたら山に行くなとは新田次郎の小説の中の格言的なセリフである。8/7には南アルプスの北岳で落雷で死んだ登山者が報じられた。お盆が近づくとそろそろ雷の季節になる。
 これから行く西穂高岳でも過去に大きな被雷の死亡事故があった。「1967年8月1日の気象状態は、本州を挟む形で高気圧が2つ並んでおり、南海上には台風があったため、大気の不安定な状態となっていた。」(ウィキ)
 ウィキにある当時の天気図とよく似ている。左様、今も台風が2つあり、東の高気圧が強いために東進をはばまれている状況か。しかもシベリア大陸寄りに低気圧が並んでいて冷たい空気を運ぶ。亜熱帯と亜寒帯の気団が列島を挟んで均衡を保っている。気団の勢力の駆け引き次第で、均衡が崩れると落雷をともなう荒れた天気になる。気圧配置はそっくりだ。
 西穂高に登ったら奥穂まではエスケープルートが1本あるとはいえ、簡単には逃げられない。高い尖峰、岩塔、高い樹木、自分自身も落雷の通り道になる。それなので黒い雷雲を見たら引き返すか、なるだけ午前中に奥穂の小屋へ駆け込めるか。