12月句帳2~天白川サイクリングロードポタリング2016年12月23日

誕生日来るたび平成(へなり)山想ふ
・・・元号が平成と決定した年に平成山に登ったことを思い出す
 
北窓の遙かに眠る猿投山
・・・マンションの北窓から猿投山が黒っぽく見える。冬山惨淡として眠るが如し。

北風に負けず踏み込むペダルかな
・・・運動不足を補うためのぺタリング。筋肉を使うと体も温まる

朝寒や有りし日の店更地なる
・・・高級外車の店があったはずが更地になっている。歳月は人を待たず、で少しづつ町の姿も変わる

朝の陽にかがやくやうな枯れ尾花
・・・天白川河川敷に枯れ尾花が朝陽を浴びて美しく映える。一枚撮りたいがカメラを持たず。

枯草が立つ倒れ伏すまで立つ
・・・同様に草紅葉のようなきれいな枯草が広がる。

暖房や待つ人さはに喫茶店(るぱん)
・・・日進市と名古屋市境にあり、平針駅に近い人気の店で行列ができる

12月句帳3~旧制八高の遺跡めぐり2016年12月23日

マフラーを巻きてロードをポタリング
・・・瑞穂区の名市大山の畑キャンパスを目指す

冬木立かつてはありし八高址
・・・旧制八高は今の名市大山の畑キャンパスにあった。戦後の学制改革で名古屋大学教養学部に編入されて歴史の幕を閉じた。ここにあった八高正門は犬山の明治村に移設された。

八高生マントを羽織る颯爽と
・・・冬木立の中に八高生の銅像が建つ。マントをなびかせて颯爽と見える。冬装束なのに高下駄を履いている。あれで寮歌「伊吹颪」を高歌放吟したのだろう。今日の気圧配置は冬型で風が強く寒かった。これが伊吹颪なら粋な演出と言える。

十二月手持無沙汰の古本屋
・・・ちょくちょく訪れる古本屋に入る。早川孝太郎『花祭』と梅原猛『歓喜する円空』の2冊を買う。他に客はなし。偶然だが梅原猛は東海中学、八高OB、父の半二も八高OBでトヨタの元取締役。

冬帽子脱ぎて調査を頼みたり
・・・名古屋市博物館に旧制八高OBの著作物の収集があると知って訪ねるが非公開という。学芸員の方に帽子をとってあいさつし関係書のみの調査を依頼す。

路地を抜け師走の街を帰るなり
・・・旧制八高遺跡を撮影したので目的は済んだ。住宅街の路地裏を抜けて山崎川沿いに走り天白川のロードに出てまた走った。

短日やたそがれの街ひた走る
・・・明るかったのに見る見る暮れて行く。ライトを忘れたので薄暮の中をひた走る。