奥三河・清水谷遡行2016年08月27日

 8/26から8/28にかかけて予定していた北アルプスの大キレット縦走は台風接近のため中止。代案として涼しい沢登りに出かける。鈴鹿は蛭被害が多そうなので奥三河を選んだ。

 朝6時10分金山駅前に集合、5人で出発。名古屋高速の高辻ICから新東名の鳳来峡ICまで一気に走れる。奥三河の山歩きには革命的なアクセスの便利さになった。登山口の宇連ダムへは7時30分と早い。鳳来湖は干上がっていました。タイトなカーブの連続する湖岸道路をくねくね走る。設楽町と新城市の境にある第10岩脈も見えました。車を停めて普段は湖底にある第10岩脈の穴滝を路上から見学する。すぐに登山口の宇連橋に着いた。
 身支度を整えて8時半出発。宇連橋を渡って左折すると林道を歩く。対岸からの橋を見送って進むと清水谷と林道の高さが近づく。林の中の踏み跡を辿って入渓する。
 三輪川の支流・清水谷右俣(実は左俣右)は平坦なところは滑床が続き素晴らしかった。足をじゃぶじゃぶ流れに浸す。水量は少なく水の抵抗はない。いっぺんに冷涼な気分に浸れる。この楽しさは沢登りならではのもの。中流部では滑滝、ポットホールの非常に深いゴルジュ、など変化の多い沢でした。
 ポットホールは石ころが水の流れで回転し浸食した自然の造詣である。ゴルジュの滝壺の一つ一つがポットホールになっており、何とかなりそうに思うがつるつるの岩盤で支点がすくなく、また水の流れがないため風呂桶みたいなポットホールも底の方では渦を巻いて一旦足を入れたら引き込まれて抜け出せない恐れもある。底の見える深さは私の胸くらいであるが青く深いところは入るのを止めた。
 子供の頃、水泳場にしていた川も岩盤の一部にそんな危険個所があって自殺した老人もいた。入水すれば足を引き込まれると知っていたわけである。鈴鹿の仙香谷でも淵に引き込まれて溺死した事故があったと記憶している。
 そんなわけで左岸を巻いた。微かな巻道があった。
 標高450m付近から沢が立ってくる。岩脈を突き破るように10mほどの滝が落ちている。右岸を巻いて岩脈に着いたら下へ辿り、スリングで川床に下りた。そこから更に滑が続く。やや傾斜をともなった滑滝をフリーで攀じ登る。日頃のクライミングの成果が試される場面である。
 やや平坦な場所で一休みする。目の前に滝が落ちている。更に奥まったところには30mの滝らしいのも見える。ここで約3時間、11時半になった。空は台風の影響でどんよりしているし、午後からは降雨もありそうということで遡行を打ち切る。納涼沢登りの目的は達した。
 宇連山には登らず、下山は左岸の山腹を探るように上部へ登る。すると浅い枝谷があり、大きな岩があるので更に上部を巻いた。眼の上に明らかに石組みが見える。近寄って見ると古い山道を発見。所々に炭焼き窯跡があったから、多分、炭焼きの往来した道の名残であろう。
 左へ登れば稜線の登山道につながりそうだが降雨の事もあり、右へ下る。シダが覆う廃道であるが道形はほとんど残っていた。枝谷をまたぐところのみ注意を要する以外は順調に下れたので相当早く下山できた。古い赤テープも発見した。三河の山では珍しい。沢に平行して歩くと路もはっきりしてきた。遡行中に見た廃屋も通過して正しい道を確認する。右岸左岸を渡り返しながら行きがけに見送った橋を渡って左岸の林道に戻った。車まで戻るとメンバーから安堵の声がした。小さな冒険に満足したのである。大キレットのスケールとスリルには及ばないがガイドブックにないルートを辿るのも面白い。しかも日帰りである。
 マイカーの隣には若者3人が夏の軽装で遊んでいた。小さな動物は何と野生の子猿だった。親からはぐれたのだろう。餌をねだっているように見えたから飼い主に捨てられたのだろうか。私の足元にすり寄ってきたり、車の荷室に入ろうとしたり、運転席に上がるとドアのところに手をかけて上がろうとするので追い払ったが、妙に人懐こい。人への警戒心がないので野生ではないと思った。
 帰路はR151へ戻り、名号の交差点から少し先の「梅の湯」を浴びて帰りました。汗と汚れを落とすとさっぱりする。入湯後は大雨になりました。山中で粘らなくてよかった。新城まで来ると残暑厳しいことを実感するような良いお天気という変な1日でした。
追記
同行のメンバーが地形図に落とした軌跡を送ってきたので見たらなんと清水谷左俣右に入っていた。廃小屋や大岩など過去の記憶通りに進んでいると思っていたが入渓地点が少し早かった。汗!

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掲示板「行ってきました」奥三河・宇連山の沢歩き
http://8425.teacup.com/koyabann1/bbs/99
小屋番の山日記
宇連山の沢・古峠・廃村
http://koyaban.asablo.jp/blog/2006/08/08/
宇連山覚書
http://koyaban.asablo.jp/blog/2006/08/12/
奥三河・宇連山を歩く・・・ガンゾモチフデ山考
http://koyaban.asablo.jp/blog/2016/06/04/8102510

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