仙香谷吟2015年07月13日

短夜や忘れ物なきやうに発つ

近江へのトンネル抜けて梅雨晴れ間

汗ぬぐい谷への道を急ぎけり

くちなはが見回りのごと現れし

万緑に覆われてゐる仙香谷

磨かれし花崗岩なる夏の谷

碧水を湛えし釜や夏の谷

谷涼し水を浴びつつ攀じ登る(赤坂谷)

滝の水梅雨なればこそほとばしる

滝轟々やむなく高く巻きにけり

溯る滝の向こうに何がある

岩襖懸垂下降で滝下る(ツメカリ谷)

深淵はロープを頼り泳ぎけり(神崎川本流)

愛おしく井守を手にすをみなかな

あかはらは都会っ子には愛されし

腐臭ありて鹿の子の骸(むくろ)かな

谷を出てヘルメットから夏帽子

日が暮れて河鹿蛙の寂しさよ

夜濯ぎや疲労困憊して干せず

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