近江鈴鹿の元越谷を溯る2015年06月15日

大滝の前で
 6/14。最近入会した新人3名のいわゆる山婆(サンババ、3人の婆か?)を含む7人が参加した。鈴鹿でも近江側は静かな山域であるが、久々に鈴鹿スカイラインを越えて入山。先行車が1台のみあったが何の目的か不明。
 いつものように林道を歩きながら入溪地に向かう。最初は河原歩きから堰堤を巻いて行くと徐々に溪谷らしくなってくる。花崗岩の谷は美しく明るい。小さな滝を左岸から高巻く。今回は大勢なので懸垂下降はしない。昔はなかったフィックスロープが垂れ下がっているので難無く下降できた。ここを過ぎると次も落差はないが直登できない滝を左岸からへつる。以前はロープをつけて泳いだところだが。
 溪谷の斜度が高くなり、小さな滝を直登したり、大小の岩がごろごろしてきた。両岸の岩壁も直立してゴルジュの渓相になると大滝は近い。前日までの雨で水量は多く、飛沫がほとばしる。豪快である。大滝は左岸の岩溝を攀じて突破する。ロープで確保して、滝上に降りると核心部に到達する。ここからしばらくは花崗岩の削られた溝や釜を持った小滝を次々に突破する極上の溪谷登攀を楽しむ。五月蝿かった三婆もここだけはおしゃべりを飲み込んで黙々登攀してゆく。登山道を歩いているだけでは味わえない沢登りの楽しさが溢れる箇所だ。
 核心部を無難に突破した後、二股まで来た。もちろん右に振る。斜度は大人しくなった。と思いきや垂直の小滝に手こずる。ロープを出して確保。結構遊ばしてくれる。しばらくは溪谷歩きの余韻を楽しむ。斜度は殆ど均されて高度を上げる感じがしない。森の中のせせらぎになった元越谷源流部を歩く。いい加減、溪谷歩きに飽満した頃、突然傾斜がまして前方が明るくなった。あれが県境稜線か、と口々に言い合う。土つきの斜面を滑らないように登ると登山道のある稜線だった。伊勢側から吹く風が心地よい。しばし休憩する。
 ここで登山靴に履き替える人も居るがリーダーと私はそのままである。消耗が激しくなるがザックを軽くしたいからだ。オレンジなどの差し入れを食べたりして、また三婆のおしゃべりが復活した。水沢峠に降り立ち、左折すると荒れた峠道を下る。道形は残っているが所々で崩壊しており、RFに注意する。完全な廃道といっても良い。林道の廃道が出てきた。風化花崗岩の脆さは如何ともし難い。それでも林道は作られる。以前からあった整備された林道につながった。古い道標もあった。昔はここから水沢峠への登山道に下りていったのだろう。
 三婆とそれに旧人の婆も加わって話題は家族のこと、世間のことに散るがあっという間に駐車地に着いた。河原では赤ちゃんを連れた若い親子が食事など楽しんでいた。無事に下山。スパッツを剥がすと蛭は居なかった。今日は献血せずに済んだようだ。