台高山脈・迷岳を歩く2014年05月13日

 5/11(日)午前5時に明るさで目覚めた。津天文台の日の出は午前4時55分だから夜明けと同時に目が醒めたわけだ。がばっと起きて片付けると朝食。車内を簡単に整理して出発したのは5時40分だった。
 登山口のポストで名前住所を書いて左岸沿いの山道を歩く。数分で道標が現れて右の山腹の尾根に取り付く。杉の植林地帯を攀じ登る。螺旋階段を登るような感覚である。喘ぐ一方の登りも尾根の背に乗れば解放される。ここからは飯盛山の凹凸のある痩せた尾根道を辿る。シャクナゲが現れて少しは慰めになる。シャクナゲの花に包まれた北峰を通過。若干下る。頁岩と見られる岩場を攀じたりロープに頼ったり、と中々にスリルもある。飯盛山の表示のあるピークを通過。再び下ってゆくと唐谷分岐に着いた。多くのテープのマーキングがあって分かりやすい。
 プレートにはあと50分と嬉しくなるようなタイムが書いてあった。左は桧の植林が続き、右は自然林になっている。小さなコブを越えると周囲が明るい自然林の広い尾根になった。ブナも混じる。踏み跡は心なしか薄いのは広くなった所為もある。
 10時05分。2等三角点のある山頂に着いた。本日一番乗りである。休み休みで4時間30分の道のりだった。これで二登目である。以前は大熊谷から登った。あのルートこそ広い林を彷徨する錯覚がある。ゆえに迷い岳というべしか。
 明るいのは芽吹き始めたばかりで葉の繁りがないからだ。ここはまだ春の装いなのである。山頂直下に赤いツエルトが一張りあった。朝早く、白倉山辺りへ足を延ばしたものか。秘境的雰囲気が残っているだろう。
 お昼にはまだ早いが朝飯が早い所為で空腹感がある。メンパの飯を食べた。さすがに2日目では飯粒が少し硬い。そうするうちに登山者が次々上がってきた。男ばかりの2人連れ、男女の2人連れ、単独の人もめいめいに山頂に座して休む。静寂な山だなあ、と思っていたら結構な人気のある山だった。
 となりに座した人は名古屋市緑区からの登山者だった。朝3時に出発したとかいう。出発は6時半というから、4時間くらいか。スリムな体つきだから早いのだろう。話がよく合って、下山も同行した。唐谷分岐に記憶がないというから多分2人で話し込んでいたのだろう。よくあることだ。分岐からの登りは実際には35分くらいだったから25分で下れるだろうと予測してゆくと果たして目論見どおり分岐についた。これだけしつこくマーキングしてあっても2人は記憶がないと首をかしげるばかりである。
 唐谷林道へは桧の植林内を下る。所々、崩れた箇所もあったが、そんなに悪い道ではない。唐谷本流を渡渉した。ここまで1時間ちょっとかかったので小休止。谷水を呑んでみたが美味い。岩から染み出した水のようだ。
 唐谷林道へは再び、林内を巻く様に下ると枝沢を渡渉する。ここの谷相はスラブのようで岩ごろごろというよりナメになっていた。再び本流に出会うと今度はナメの滝群に出くわした。しばしば立ち止まって写真を撮った。そしてやっと林道に着いた。1台のみ止まっていた。林道もそんなに荒れてはいない。延々下って遊園地の廃墟に着いた。事務室の中を覗くと2003年の文字に10年くらい前には営業しておったようだ。
 そこからもゴーカートのヘアピンカーブの連続するコースを下った。そしてやっと洞窟館のある平地に着いた。2人とも別れた。R166を松阪市へ走りつつ、迷岳の山容を求めて走った。七日市辺りからは立派な山容を拝めた。奥伊勢の名山だけの事はある。
 道の駅飯高で一風呂浴びた。それからも道草しながら高速を避けて帰名した。伊勢湾岸からは海を渡った。