8月の俳句2013年08月06日

   天白川の夏
母と子の裸足で川に遊ぶなり

母は子の嫌がる魚をリリースす

子は叫ぶ魚取るまで川遊び

 ある夏の昼、天白川を渡ると橋の下から子供が叫んでいる。母と男の子の2人が川の中にはだしで入っていた。盛夏とはいえ、ガラスの破片で怪我しないかと心配。叫んでいた理由は母が子に魚を放せと促している。子供は嫌がっているのだった。しぶしぶ母に従って逃がしてやった。
 これを優しい心根と見るか。
 否。子供は大人に追いつこう、家族の一員として認められたい、と日々成長する。自然保護とか、放流とか今時は喧しい時代であるが、獲物をとってきた男の子を認めてやって欲しいものだ。
 父親はどうしたのだろう。こんな役目は父親だったはず。私は祖父と川に入り、鰻を仕掛けたり、白はえを取ったりして、夕飯のおかずに供した。それは内心家族の一員になれた喜びを味わったものである。親に養われる側から養う側への小さな体験。あの映画「ふるさと」でも祖父に連れられた男の子のイワナ釣りの場面が印象に残っている。
 現実的には(清流ではない)天白川の魚は食べられないから放そうね、と言ってたのかも知れません。

青草のたちまち刈られ河川敷

山鳩も土鳩もついばむ草刈跡

雷鳴のとどろき空を切り裂かん

ニッポンを襲うがごとき雷雨なり

この時とばかりに騒ぐ夏祭

うたかたの8月の夜や人恋し

何で咲く暑い盛りの百日紅(さるすべり)

水色にならばや紅き百日紅

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