二年ぶりに堪能した源屋の鮎!2013年07月17日

 根尾川をR157に沿って遡ると、樽見という小盆地の街に着く。淡墨桜で超有名になった。これまでも二車線の快適な道とカーブの多かった箇所は改良されてトンネルを穿ち、橋が架けられた。又の名を淡墨街道と言ったかに思う。千年の老桜が道を広げたのである。
 正面には岩岳という平坦で、1000mにわずかに届かない山が見える。春はイワウチワの群落が素晴らしい花の山である。ここで根尾川は根尾西谷川と根尾東谷川に分れる。西谷川の源は能郷白山であり、東谷川は左門岳やドウの天井などである。
 R157は根尾西谷川に沿う。道の駅うすずみ温泉のあるところで昔のままの狭い道になる。そこも今は拡幅の工事中であった。やがては福井県に新道でつながり、酷道の汚名を返上する。
 今日の目的は、根尾長島にある源屋というかつては登山家・今西錦司らも泊まった古い旅館の鮎料理を食べることだった。旅館は今は廃業した。二階建ての家も取り壊されて更地になった。川魚料理に生き残りをかけているのだろう。私が始めて泊まったのはもう何年も前の5月のことだった。川魚が旨いよ、とほぼ毎年のように友人を連れて来るようになった。
 それが昨年は主人の体調が悪くて、再三の電話で確認したが、ついに回復することなく、9月の落ち鮎すら味わうことなく過ぎて甚だ寂しい心持であった。
 今年、6月初旬に山友が連れ立って行ったよ、というのでやっと回復を知った。また行こうと誘いかけて3人で来た。朝8時に名古屋を出ても着いたのは11時過ぎになる。地道ばかりだから遠い。それに今日はやたら車が多い。名神/一宮付近は大渋滞で名古屋高速の出口から東海北陸JCTまでつながっているんじゃないか、と言っていた。
 断続的に小雨が降るのは山間部ゆえの風情でもある。山時雨というものか。時間が少しあったので能郷白山の登山口までドライブに誘った。かつての記憶では、途中から砂利道になるはずであったがずっと舗装路であった。緑濃き能郷谷であった。
 途中で、工事中のために通行止めになったので引き返した。場所は藤の谷を分けてすぐだった。思えば、あらかたは登った積もりであるが、藤谷山925mは未踏である。茶屋峠という風流な地名もずっと気になっているが、何せ三角点がないと中々モチベーションが湧かない。
 福井県は温見の手前まで拡幅工事が迫り、温見峠にトンネルが掘られ、 いつの日か、岐阜県側のR157の改良工事には藤谷山の真下にトンネルを穿たれることだろう。越美の間道が自然観光の動脈に変わる日が来るだろう。
 戻って、能郷白山神社でも雨が大降りになってきた。下車して、境内に入り、閉鎖されている奥社までの急な階段を登った。雪囲いされたままなので神殿の前には立てない。ここもかつて能郷白山に登山した帰りに猿楽を見物した。素朴な山村民俗である。毎年4月13日に催される。来年は日曜日らしいので観客も多いだろう。
 源屋に戻ると、まだ誰もきていないので生簀を見学しているとクルマで続々来た。そこで我々も店に入った。すでにお盆は食卓に準備されて料理を載せるだけになっていた。
 まず、鮎の甘露煮、塩焼き2尾、鮎の身を箸でしごいていたら緑っぽい腹わたがでてきた。鮎は藻を食べるので天然ものだ。鮎の刺し身、鮎の田楽、鮎のフライ、エゴマのたれをつけた小芋、みょうがの甘酢漬け、みかん、ごはん、汁とたっぷり味わう。これで何と3000円也。交通費と時間をかけても納得の味が堪能できた。味の秘訣は上流部に人が住んでいないために水がきれいなことだろうか。ごはんも美味しい。
 家族総出の予約客、一見の来客もあって、卓はみなふさがっていたのではないか。源屋は賑わっていた。知る人ぞ知る名店ではないかと思う。(2013.7.13)

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