奥美濃・舟伏山の沢2011年05月19日

 5/17の定例会で急遽参加を決めた。自由業は不自由業でもある。しかし、自分の意思次第で決められるのはいい。会社員でも休めるのだが中々休暇の取得は難しかったものだ。
 5/18、朝3時の目覚まし時刻前に起床。気合が入っていたのだろう。W君宅へは4時過ぎに着。ちょっと買い物を済ませて高速へ。美濃ICからR418を経て上大須のダムへと向かう。昨年も同じ時期行った初鹿谷(はじか)への橋を渡る。昨年は朝から小雨の上に初鹿谷林道が途中で土砂崩れで追い返された。今回はリベンジであり、やっぱり沢はじめになる。
 昨年土砂崩れでUターンした廃屋はきれいに撤去されて林道は落石もなくスムーズに通過できた。終点手前では新しく造成された堰堤の道路がとてつもなく大きく高く急なカーブで登っていくので不安だったがエンジンをフル回転して登りきった。雨ならいやらしいところである。
 更に進むと平坦になり、山頂直下から下る沢の合流地は未だ崩壊して土石流の跡が生々しい。6時過ぎに着いたが準備やらカメラを取りに戻ったりで出発は6時40分過ぎになる。
 初鹿谷は平凡でこれといった特色はない。むしろ人間が入った後はかなり散見される。左岸の山道の跡、ペットボトルのゴミの多さなど。それはどうやら地形図にも印刷のある天然記念物の菊花石目当ての入山者のせいとおもわれる。沢には魚影も見当たらない。
 ゴルジュの中の滝はあったがなぜかアルミ梯子があり難なく抜ける。我々は舟伏山に向かうので初鹿谷本流から離れる分岐までも簡単に着いた。時間に余裕があるので三段の滝を見学に往復した。
 右に振っていくと菊花石の印刷のある谷に向かう。これも途中から右へ振って山頂へ登る。ここからも谷は荒れて明らかに山抜けの跡が痛々しいほどだった。困難な箇所はないまま山頂の平坦な一角に登った。
 この谷は石灰岩の地質のせいか植物が豊富だった。シャガは路傍に多いし、木本のヤマブキは珍しくないが草本のヤマブキソウは珍しい。ニリンソウ、イチリンソウの仄かにピンクの色が綺麗だ。他にヒトリシズカ、ハルリンドウ、スミレも見た。それらをW君に撮影してもらった。
 山頂の一角に出てからがRFの難しいところだ。しかし目前に山頂の盛り上がりが見えるのでそこを目指す。バイケイソウの群落、池沼もある。遅くまで雪があっただろう。そんな光景を横目にしながら地形図と首っ引きで高みに向かった。道も踏み跡も無いが薮はないので楽であった。
 やがてフナクボ地形(二重山稜)を経て登山道に合流した。すぐに山頂だった。11時20分着。5時間弱。山頂には平日にも関わらず10名近いハイカーがいて女性はみな山菜(わらび)に忙しそうだ。木の間からは残雪のシマウマ模様の能郷白山が見えた。いつ観ても立派な山である。南の方へは見晴らしがいいが気温の上昇で霞んでいた。
 昼食後休憩して下山する。元のルートを探りながらいくがやや南よりに降ったせいか反対側の谷の源流部に下ってしまった。目で稜線が見えたので修正して北へ下った。
 最初こそニリンソウの群落を踏みつけながら夢のような下降をしたが地形が急になり、尾根も多分谷も急なので行き詰まるところまで下った地点で懸垂Wで2回を実施して谷に下った。
 ところが災難はそれだけでは済まない。荒れた谷をソロソロ下ると新しい堰堤が次々現れてきた。一つ一つをクリアしながら下ると左から水流のある谷と並行した。これは地形図で確認できた。ここからは足場のいい尾根を下った。もういい加減にしてよ、と思う頃見覚えのある荒れた広い河原が見えた。林道終点のある合流地点だった。14時半。
 下山は意外に苦戦したがピッタシの行動であり、沢はじめとしては真摯に懸垂も試みてまずまずの成果は得られた。
 テーブルマウンテン(平頂峰)にかかる沢は急というが実際危険といってもいいほどであった。