吟詠!三河の杉田久女故地巡礼2011年05月01日

  小原町へ

さながらに芽吹きの国に迷い来し
 
常ならぬ世の里山も笑ふなり

三椏や三河の和紙の小原村

  杉田久女の故地へ

花散りて枝垂るるものは若葉なり

スミレ咲くここぞと自己を示すごと

春深しいにしへ偲ぶ長屋門

満天星の花が見守る句碑と墓碑

手に取りて木偏に風や花楓

行く春や久と宇内の夫婦墓

大欅ひろがる青葉若葉なり

聞くまでは花海棠と知らざりし

水仙と知るゆえ人に語られず

春風や格子戸のある父祖の家

  大福魚苑にて句会

寒がりは春ストーブの傍に座す

蕗味噌にビールが欲しくなりにけり

たらの芽のてんぷらを食ぶ茅屋に

川鱒の刺身のつまのワサビかな