新刊 飛騨山岳会編著『飛騨の山』ナカニシヤ出版2010年12月03日

 関西で山岳書に熱心なナカニシヤ出版から刊行された。2625円と値は張るが立派な装丁で造本されているので購買欲をそそられる。本書は先立って刊行された『ふるさとの山 飛騨百山』(2009年)の全面的な改訂版といってもいい。飛騨百山は装丁、造本、編集、文章ともに期待を裏切る内容で落胆したが山岳書の”手だれ”が手がけて見違えるように生まれ変わった。
 内容は当方としてはもうあらかた登った地域であり、『東海・北陸の200秀山』上巻(中日新聞社2009年)で扱ったから二番煎じの感無きにもあらずだ。唯一未踏のアカンダナ山は登りたいが他はもう既登か食指が動かない山である。
 それでも購入価値を挙げるとすれば研究編である。これは簡単ではない。出版盛んなりし今日のことだから本書によらなくても入手できそうな情報もあるが歴史の長い山岳会の会員の足と汗で作られた本となれば尊敬に値すると思う。
 山岳情報もインターネットで簡単に得られる時代であるが地元飛騨の岳人でしか知らないような情報とふるさとの山への思いのこもった文章でガイドされるのもまたいいではないか。それこそが書架に並べたい1冊の価値というものである。

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