秋の大台ケ原山を歩く2010年10月25日

 午前4時半と異例の早さで集合。1名が周辺で迷ったがなんとか5時前には出発できた。東海ICから伊勢湾岸道を経て亀山ICからR25、針ICからR370を経由してR169に合流。すぐに柿の葉寿司と草餅の看板が目に入る。子規の俳句を思い出すまでもなく柿は奈良の名産だ。その葉っぱも豊富に手に入る。ここへきたら是非にも食べたい名産の一つだ。
 道の駅「杉の湯」でトイレタイム。またひたすら走って大台のドライブウエイに入る。最初のトンネルまでは青かったが抜けると赤や黄の錦の道となった。まさに山装う季節だ。
 Pが近づくと両側の路駐が増えた。さてはもう満杯になったかと走ると動かなくなった。先行していたKグループも路駐の準備だがKuさんがPを探してくれて中に止められた。まだ1台分あるのでKグループにも知らせた。場所取りをしていると後から来た乗用車の運ちゃんは殺気立ってた。ここは完全な観光地だ。これじゃ自然破壊も進むわけだ。
 11年前の50歳の時に台高山脈の縦走を企てて高見山の近くから単独行で歩いたことがある。山中ツエルト3泊で池小屋山以南は迷走しながらの山旅だった。最後は大台辻の手前で迷ってしまった。
 台高山脈に沿う三重県と奈良県の県境は必ずしも山脈に忠実ではなく、ピークを巻いている。しかし、ピークハントの山屋さんたちが踏んだ道がしっかりあるのでピークに誘い込まれる。戻ればいいが戻らずに越えて行くから途中で気づいて戻るのでふみあとも濃くなるわけだ。単独でザックも重いとなると歩くことに注力してRFがおろそかになるのだ。
 行きつもどりつして林道に降り立った。それは尾鷲に通じる林道だった。狐か狸に騙されたような気分だった。それは近くにたしか狸峠もあったかに思う。仕方なく大台辻まで登り、入之波道を大台ケ原に向かったのだった。
 ようやくの思いでたどり着いた大台のPだったが風雨が強くバスで早々に帰った。その時以来のPだった。今日は思いを新たに日の出ケ岳に登れる。しかし人ひとひとの列は何とかならないか。
 雑木林の中の紅葉、黄葉は最盛期だったと思う。一番いい時期に来れたのだ。山頂はひと登りだった。しかし高曇りで眺望は今一。かつて尾鷲の高峰山から眺めた巨鯨のような大台を今度は見下ろすことにしたかったが成らず。
 登頂後は正木ケ原、牛石ケ原、大蛇ぐらを経てシオカラ谷に一旦降ってまた登り返すとPだった。標準的な周回コースだった。次は三津河落山へ向かう。登山口は大台辻への登山道とドライブウェイの交差するところである。車で移動。相変わらずマイカー族やバスが路駐していた。 地形図で確認して綺麗なササの山道を歩くと二又になる。右がしっかりしているがどんどん下るばかりなので見直すとこれこそが大台辻への道であり11年前に苦労の末に登った道だった。
 二又まで戻って鹿害防止用の金網で囲まれた笹の中の踏み跡を登った。きれいな踏み跡が続く。金網の保守用の道のように見えるがやがて名古屋岳という山頂に着いた。わが名古屋を冠した山名は珍しい。ドライブウェイの南がナゴヤ谷と呼ぶのでたぶん「なごやかな」谷の意味かな。
 すぐ近くに見えるはずの三津河落山はガスで見えず、ふみあともしっかりしてないので引き返した。これまでの迷った山はみなガスの中だったことが脳裏を横切るのだ。
 これで下山とした。R169を走るがまたまた柿の葉寿司を土産に購入した。自宅で食べたが美味だった。R25も高速も亀山周辺で若干は渋滞したが意外にスムーズに帰宅出来た。