名優!池部良さん死す2010年10月11日

 ネット新聞で池部良さんが10/8に亡くなられたことを知った。日本映画界の大物がまた消えた。存在感のある人だっただけに淋しい。
 TVが一家団欒の中心だったころNHKの番組のレギュラーメンバーだったと記憶している。司会は高橋某さん?さわやかでハンサムな笑顔が良かった。しかし出演した映画を見るのはずっと後の事になる。
 2007年に体調不良から室内で楽しむ趣味としてDVDの映画を見るようになった。最初の頃に見たのが池部良、岸恵子主演の「雪国」や「早春」だった。どちらも面白い。続いて「青い山脈」「暁の脱走」と観ていった。
 今Uチュウブで池部良を検索するとそのさわりが見られる。懐かしい。エッセイも沢山書いている俳優だった。文庫本で読めるものは皆読んだ。図書館で読んだ本も多数ある。確かにエッセイストの賞を受賞しただけの筆致がある。女優からも良く書かれている。共演した岸恵子や高峰秀子だ。昔の俳優さんたちはみな知的レベルが高い。
 小津安二郎のことは「早春」の1回しか出演していないがエッセイには書いている。この映画はサラリーマンの悲哀を描いている。何度か見た映画である。この縁で松阪市の奥の飯高にも招かれたことがある。飯高は小津の青春の土地だったから。
 小津と並んで脚本を書いた野田高梧は愛知一中のOBだった。丸の内郵便局の付近に愛知一中の跡を示す石柱があってああここで学んだんだな、と思った。野田は早大に進み松竹に入社してメロドラマを沢山書いたそうだ。
 この物語は野田の知り合いの若者グループの出来事をヒントにしたらしい。道理でセリフが真に迫るはずだ。恐い奥さん役は淡島千影さん、岸恵子は不倫相手のズベ公役だった。
 しかし、相手役の女優さんたちはみなご健在だ。山口淑子、岸恵子、淡島千影、原節子、高峰秀子、他たくさんの人がいる。大黒柱が倒れたような喪失感を味わうだろうな。