奥越・姥ヶ岳スキー登山2010年03月22日

 3/21、18時出発。東海北陸道を北上する。白鳥ICを出て福井県に入ると降雪中であった。R158は真っ白で降り出したばかりのようだ。九頭竜周辺で仮眠場所を探すがないので荒島岳下山(しもやま)登山口(現在は廃道)のある荒島林道のPまで乗り入れる。以前に利用させてもらった東屋も積雪2m近い雪に埋まる。トイレさえ照明はあるのに雪で塞がれていた。仕方なく勝原スキー場まで走ってテントで仮眠した。
 3/22、3時起床。5時出発R158を大野市に向かう。R157への近道を通り、真名川ダムに向かう。ダム堰堤以遠、温見峠まで除雪済みとの情報どおり走れた。但し落石が多く、油断は出来ない。表向きは通行止めになっていた。周囲の山肌は班雪(はだれ)である。積雪が一段と増える巣原の手前からは一車線分しか除雪してない。昨夜降った雪で真っ白の道を走った。巣原橋の上には1mくらいの残雪が乗っており恐い状態であったが南の一人分の幅は消雪していて歩けた。真名川は雪解け水で増水してとうとうと流れる。巣原から流れ込む水は泥に濁っていた。雪濁りである。
 6:10、スキー板にシールを貼って出発。今日はシールにもたっぷりワックスを塗った。林道はところどころ融雪で路面が出ているがおおむねシールで歩けた。昨夜の雪でサラサラの粉雪である。その下には黄色い雪が見える。黄砂で黄ばんでいる気がした。
 石垣が見えると巣原の廃村である。林道はヘアピンカーブをしながら一気に高度を上げた。中腹のところに廃村を記念する石碑があるが雪で埋まる。古い大きな建物があるが閉鎖されている。2回ヘアピンを通過すると明るい林道歩きとなる。ここも南向き斜面で雪が途切れてスキーの着脱が面倒だ。何とか平家橋に着いた。
 ここからは林道の矩面も周囲の地形も雪で覆われて広大な緩斜面となっている。散乱反射が眩しいばかりでサングラスをつける。またヘアピンカーブを曲がってぐんと登るとスキー場ならば初中級斜面が展開した。林道はショートカットする。東屋があり、池のような施設がある。林道がほぼ完全に埋まった辺りからは地形図で確認する作業が多くなった。傾斜がやや増したブナの疎林を抜けると平坦な平に着いた。ここがミズバショウ群生地のある平家平であろうか。部分的にミズゴケのついた地面が出ている。縦断してブナの疎林の急斜面を登ると尾根に達する。尾根をしばらくシール登行する。薮っぽいコブを乗り越した。地形図の位置が確認できないまま進む。左下に広い緩やかな谷が見えた。
 左前方に姥ヶ岳が姿を見せた。林道が入り組み、尾根と谷が入り組む複雑な地形の判断があってRFを試行錯誤する。尾根を登りきることを止めて地形図と照合して広い緩斜面の谷間に下った。流れは出ているがスノーブリッジを跨ぎながら前進。周囲はブナの大木が残る素晴らしい原生自然郷である。
 広い谷の出合いで尾根の斜面に林道らしい断面が見えたので地形図で照合するとようやく現在地の確認が出来た。地形図の登山道はすぐ近くであった。若干バックして左の谷を詰める。苦しい登りに喘ぐ。登りきると登山道のある尾根と合流した。標高約1300m付近。登頂は射程距離に入った。昨夜の降雪で危ぶまれた山頂が目前である。もちろんこの時期の登山道は雪でまったく分からない。細幹の岳樺の疎林を自在にぬって登る。あれが頂上と思ってピッチを上げて達したが一面の広大な雪稜が続くのみであった。緩斜面の雪稜を行くと突兀とした能郷白山が目前にぬっと現れる。濃尾平野からは台形の優美な姿であるが前山とイソクラを従えた能郷白山をこんな形に見たのは初めてである。
 12:30登頂。山頂は巨大な雪庇に埋もれて分からず。一番高いところを山頂とした。樹林からおよそ10m以上はある広い雪の稜線である。眺めは1465mの山とは思えないほどの大パノラマである。温見峠からの尾根が山頂に向かっていく。向こう側の三角錐はイソクラだ。左端は前山だ。奥美濃の山々、ドウの天井、滝波山、平家岳、屏風山、荒島岳、白山連峰、加越国境の山々、御岳、北アルプスもぼんやり見える。1465mの山頂からの展望は非凡であった。昨年3月部子山から眺めた姥を今度はこちらから眺めた。銀杏峯と共に雄大である。
 13:20下山。前山のような場所まではシールのまま戻る。シールを外して滑降開始。昨夜の粉雪がもたらした快適な素晴らしい林間滑降。楽しい疎林の滑降。2時間かかったところを約20分で谷に降りた。谷間を尾根への取り付まで滑る。そこからシールを付けて尾根に戻り、再び滑降開始。シールを付けることはもうなかった。ブナの疎林の滑降は素晴らしい。スキーが自在に曲がる。技術が1ランクも2ランクも上ったと言っては喜んだ。平家橋までの滑降は格別であった。
 平家橋からはまた林道の滑走になる。所々スキーの着脱を繰り返しながら16:55、R157の車まで戻った。帰りがけに平成の湯で一風呂浴びた。まったく夢のようなスキー登山でした。

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