黒部川・上ノ廊下・俳句編2009年09月24日

  
  立山の室堂を発つ秋日和

  朝冷や肩に食ひ込むザック負う

  秋高し遥かに薬師岳が座す

  竜胆やただ一人行く山の旅

  天上の五色ヶ原や草黄葉

  露霜の五色ヶ原を下りけり

  ピッケルで突けば崩るる秋の霜

  虹鱒が釣るるや秋の渡し船

  冷まじや一合瓶供ふ遭難碑

  奥黒部ヒュッテに憩ふ秋の昼

  水澄みし上の廊下を溯る

  徒渡る度に身に入む黒部川

  黒ビンガ秋日に映へて屹立す

  秋の日に乾ききったる枯木燃す

  秋の夜や焚火の傍で酒を飲む

  朝寒や脱皮するごとシュラフ出る

  ロープ付け澄む碧淵を泳ぐなり

  秋時雨奇岩立岩つひに見ゆ

  黄葉や奥の廊下の岳樺

  朝霧や跡形も無き砂州の上

  天に棲む岩魚や秋の薬師沢

  どこまでも岩魚を追ひし秋の溪

  薬師沢左俣右俣も初紅葉

  紅葉や殊に目立しナナカマド

  秋の雲たなびく黒部水源に

  秋の風黒部の山を去りにけり

  折立や菊の花供ふ遭難碑

  菊供ふやあはれ薬師の遭難碑

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