映画は世につれ世は映画につれ・・・2008年12月23日

小津作品上映を伝える07.12.23付け朝日新聞朝刊愛知総合版
 12/23付け朝日新聞朝刊の愛知総合版に小さな囲み記事が目に付いた。最上段に「小津2作品弁士付き上映」とあり、下段に「戦前の不況期舞台」といやでも目を引き付けられる。当時20歳の田中絹代の愛らしい顔写真の入った一齣の写真もあり、耳目をひきつけよう。
 小津安二郎の「落第はしたけれど」「大学をでたけれど」が1/18(日)名古屋市中村区にある中村文化小劇場(052-411-4565 午後2時半開演 500円)で上映されるという案内である。
 この作品は2007年6月1日にDVDで鑑賞済みであるが劇場の大スクリーンで上映され、しかも佐々木亜希子の弁士付き、しかも背景音楽は生バンドという入れ込みようである。是非鑑賞したいものである。
 「大学を・・・」は1929年9月6日公開、先々バブルが崩壊すると読んで作品を作ったように思える。10月25日にニューヨーク株式の大暴落が起きて世界大恐慌へと進展していった時代である。こんな古い映画が劇場公開されるのも今の世相ならではと思う。
 今回は上映されないが1933年に公開された「出来心」は不況に喘ぐ世相を背景にした映画だ。紡績工場を解雇された若い娘を気のいい親父がかばうところから始まるコメディタッチの映画であるが時代背景は深刻である。「蟹工船」の台詞も出てきて当時の世相が描かれる。来年以降不況色が一段と強まればいずれこの作品も再び脚光を浴びるに違いない。小林多喜二の『蟹工船』が読まれ、日本共産党への入党が増えているそうなので時代が逆戻りする錯覚を覚える。
追記
朝日新聞のネット版「asahi.com」でも同記事が2009.1.2に掲載された。


アサヒコム

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