初冬の加賀・富士写ヶ岳に登る2008年11月30日

 11/29(土)までは良かったが週末は雨100%の予報である。それでもW君は実行。幸い名古屋はあがっている。金山で待ち合わせて一路北陸路へ。白鳥辺りはまだ路面が濡れていてあがりつつある。油坂峠を越えるとR158は深い霧雨に見舞われた。路傍には先だっての雪が寄せられている。
 ビバーク予定地は霧で見落とし、九頭竜の道の駅を探ったが雨に濡れる。思案の末、以前2回利用したことがある荒島林道の入口にあるキャンプ場の東屋を思い出して行ってみた。トイレの照明もあるし、東屋の枠内にピッタリファミリー用テントが設営できた。これで濡れずに一晩過ごせる。
 11/30(日)の朝5時起床。夜来の風雨が強かったが快適なテント内であった。そそくさと朝食を済ませてまた強雨の中を出発。R158からR157、R364と走り、我谷登山口に行くが相変わらず、強雨で流石のW君も強行は躊躇した。出発を2時間遅らせることにして山中温泉の入湯に転戦したがどこも早朝で入れず。結局、うろうろする間に空が見る見る晴れていく。それっとまた登山口へ走った。
 10:00.非情にも登山口から長いダム湖の吊橋を渡るとまた降雨。もはや強行登山となった。本格的な山道の登山口で雨具を着用してゆっくり歩く。尾根の中心を忠実に辿る。高圧電線の鉄塔を過ぎると基本的に急な尾根が続く。周囲は栗、コナラ、クヌギ、リョウブといった雑木林である。上部に行くとブナが混じり、尾根が痩せてくると石楠花が目立つようになる。意外にも暖地性の青木が林床に多い。緩斜面と急斜面を繰り返しながら標高を上げる。
 雨は霙となり、斜面には雪が見え始める。標高を上げるにつれて一面に雪に覆われる。思いがけない雪山になった。視界は晴れないが雨よりはましである。やがて前山との分岐に出ると山頂へは近い。風当たりが強いせいで矮小化した潅木の中の道を行くと12時半に山頂であった。小広い山頂には山頂標が2基と1等三角点、展望盤が設置されている。石楠花の花の開花の折りは大勢のハイカーで埋まるようだが初冬の今日は地元のハイカーが空身で単独で往復していたに過ぎない。
 寒い山頂では弁当も開けず、パンで誤魔化す。休みもそこそこにして12時50分、山頂を辞した。次は分岐から涸れ淵登山口に下る。やや手狭な感じの登山道は我谷のメインルートに比して狭まる。前山も若干のハイカーが休める広場がある。ここには加賀市出身の深田久弥の詩碑が設置されている。その文句は判読しがたいが
「山の茜(あかね)を顧(かえり)みて 一つの山を終わりけり 何の俘(とりこ)のわが心 早も急(せ)かるる次の山」というもの。
 前山からはかなりな急斜面の道を慎重に下った。途中、クリタケ(らしい)キノコを発見して大喜び。スーパーバッグに詰めて持ち帰る。尾根道は相変わらず、急で登りには使いたくない登山道であった。傾斜は更に増し、フィックスロープもあって親切な配慮がしてある。尾根から沢沿いの道になり、そのまま下るかと思いきやまた尾根を越えて14時40分に道路に下りた。
 道路は我谷登山口まで約6kはあり、徒歩で行くしかない。ようやく登山口に戻って、R364を南へ戻る。途中丸岡温泉の「たけくらべ」に入湯。500円也。またR364から県道、R416と走り、北陸道の福井北ICに入った。ETCカード2枚で一度長浜で出て、通勤割引をゲット。一宮ICまで計2150円であった。
 かつて山麓から仰いだ秀麗な里山版の富士を今度は晴れた日に再見したいものである。