北海道・上ホロカメットク山で雪崩遭難2007年11月27日

 11/23の夜、宿のTVが北海道の十勝連峰で起きた雪崩遭難を報道していた。雪山技術訓練のための入山だったという。もうそんなに降雪があったのかと驚いた。亡くなられた方のご冥福を祈る。
 かつてこの山域には正月休みに3度渡道して行ったことがあった。一度目は単独で富良野岳にスキー登山できて満足して帰った。別の所で雪崩が一件発生した記憶がある。二度目は同行1名で行ったが雪が多すぎてヒュッテに閉じ込められてしまった。このときも沢で一件と今回と同じ場所で自衛隊員2名が雪崩に埋まる事故が発生していた。標高1000mの宿に置いた車の屋根には毎日20センチから30センチは積もった。4WD車でも除雪が不十分な所に突っ込むと亀の子状態つまりスタックしたこともあった。三度目は同行1名を伴い三段山にスキー登山できた。成功したときはいずれも比較的雪が少ないときであった。雪が多く降るときは確実に雪崩が発生する事故が起きる。一気の降雪は危険である。
 過去を思い出しながらTVの報道に見入った。かつて「山の安全対策」というサイトにあった問題集は示唆にとんだもので再掲したい。
●設問1 遭難者を救助しても、喜ばれないのは、どのような場合か?

●設問2 登山者に、さまざまな注意やアドバイスをしても、ほとんど効果がないのはなぜか?

●設問3 危険を冒してまで、人はなぜ山登りを行うのか?
(危険であればあるほど、近づきたがるのはなぜか?)

●設問4 遭難から生還した人が、再び同じ場所へやって来て、本当に遭難死してしまう例が多いのはなぜか?
(遭難者は現場に戻る)

●設問5 遭難してパートナーを失った人が、短期間の内に再び遭難して死亡してしまう例が多いのはなぜか?

●設問6 大きな課題を前にして、比較的やさしい場所(核心部以外)で遭難してしまう例が多いのはなぜか?

●設問7 連続した目標(七大陸の…、8000m峰…、100名山…)を持った人が遭難しやすいのはなぜか?

●設問8 新たな会に所属した直後に、事故が発生しやすいのはなぜか?

●設問9 遭難現場で、過去の遭難者や別の遭難者を同時に発見する例が多いのはなぜか?
(同じ遭難現場で立て続けに、連続して遭難事故が発生しやすいのはなぜか?)

●設問10 二重・三重遭難、救助活動や講習会に伴う事故がわりと発生しやすいのはなぜか?
(大勢いるほど、事故が発生しやすいのはなぜか?)

●設問11 パーティーの内でも、リーダーが比較的事故を起こしやすいのはなぜか?

●設問12 遭難することが、ほぼ分かっていても、止められないのはなぜか?
 特に設問9と10、12が今回に当てはまる。古い話であるがこの時期の愛知岳連の冬富士の氷雪技術講習会に参加した際、他の山岳会で4名が滑落で死んだ。全国から約2000名以上が氷雪を求めて集結。その中には北海道の登山者もいた。この時期北海道でも雪が少ないという話を聞いた。死亡事故多発を理由に山梨県警は冬富士での訓練の中止を申し入れてきた。当然であろう。
 以上を勘案すると今回の事故は思いがけない降雪に恵まれて地元の山で訓練できるチャンスととらえたれたふしがある。Lは引き返すかどうか思案しながら微妙なところで雪崩に遭遇してしまったようだ。ここは雪崩の常襲地帯と知りつつも遠い本州の山でなく近くでやれる、という気安さが落し穴にはまったといえる。
 気心の知れた参加者が多いと楽しいし、警戒心も緩む。雪崩の恐さは遭遇しないとホントは分からない。しかし遭った時はもう手遅れで死んでしまうこともある。短期間に大量の降雪があった時は行かないことに限る。しかし雪山への誘惑は絶ちがたい。多くの犠牲者を心に刻みながらも雪山に向うのだろうか。