金華山の事故多発2022年11月26日

 岐阜市の名山である金華山で事故が多発している。昨日も「警察によりますと25日午後4時ごろ、岐阜市にある金華山の登山道「めい想の小径(こみち)」の山頂付近」で死んでいたという。
 
https://www.gifu-np.co.jp/articles/-/114886
 岐阜新聞によると「県警がまとめた統計によると、昨年金華山では14件の山岳事故が発生した(前年比5件増)。今年に入ってからは、3日までに9件発生し、6人が重軽傷を負った。重傷者は全員が下山中に事故に遭っており、「めい想の小径(こみち)」と「百曲りコース」が中心。つまずきやスリップによる転倒が目立つという。

 今月2日には、名古屋市から訪れた大学生らがめい想の小径付近を下山中、岩場で足を滑らせ、約10メートル滑落、重軽傷を負った。大学生らは軽装で、登山道ではない垂直に近い谷のような地形の岩場を下っていた。」
 コロナ禍で長い間のブランクで体幹が狂っている可能性は高い。石の階段、木の根っこなど滑りやすい箇所はゆっくり慎重に下りたい。

尾高山の行方不明者遺体で発見2022年11月15日

https://news.yahoo.co.jp/articles/60f7275fc242ab2fb0c68305b28a7f1a972babe1
11月12日、三重県菰野町で登山に出掛けたまま行方が分からなくなっていた小学校教員の女性が15日朝、山の中で遺体で見つかりました。
警察によりますと三重県四日市市富田栄町(とみださかえまち)に住む小学校教員の梅谷明美さん61歳は11月12日、三重県菰野町にある尾高山に登山に行くと家族に話して外出。

その後、帰宅しないことを心配した家族が13日、110番通報していました。

警察と消防が捜索したところ、15日午前10時すぎ、山頂から1.5キロほど離れた沢辺で、梅谷さんが遺体で見つかったということです。

沢辺は登山道からは離れた場所にあり、遺体には擦り傷もあることから、 警察は梅谷さんが1人で登山中に滑落した可能性があるとみて詳しい状況を調べています。
以上
 鈴鹿の前衛峰で533mしかないからすぐに発見されると思っていたら思いがけずに亡くなっていた。一度は歩いたコースだがそんなに危険個所があったわけじゃない。
 要するに山での危険は登山者側の不注意か不運であろう。そうならないように慎重な登山を心掛けるしかない。

ふるさとの尾鈴の山のかなしさよ秋もかすみのたなびきて居り 若山牧水2022年10月19日

 10月16日、宮崎県都農町の尾鈴山に登山に出かけた70代の男性が遭難しました。
 周辺では警察などによる捜索活動が続けられていましたが、19日午後に木城町の山中で心肺停止状態の男性を発見。男性はその後死亡が確認されました。
以上
 遭難の報を聞いてこの短歌を浮かべてしまいました。死亡された方にはお悔やみ申し上げます。

雨乞岳の行方不明の人は2022年09月16日

行方不明の父親の情報を求めるチラシ
 FBのタイムラインにアップされた息子さんの訴え
「 いつも山本進二と懇意にして頂いている皆さんありがとうございます。
山本進二の長男の山本慶太と申します。
父進二が、9月12日(月)に滋賀県の雨乞岳に入山した以来、消息を絶っています。
15時に家族に東雨乞岳の写真とともに、「今から下山します。」とメッセージを送り、その後18時30分頃に「少し帰りが遅れます。」と再度連絡を入れて以降、既読がつかない状態となってしまいました。
もし、登山関係のご友人で、12日の登山に関して連絡を取られた方がいらっしゃったら、連絡いただきたく存じます。
本人の行動の情報が少なく、少しでも情報を得たいと思っております。
13日以降、警察、消防の方がいずれも懸命に探してくださっています。私も現場におり、連絡いただければ消防、警察の方にすぐお伝えできますので、12日にSNS等でも連絡取られた方いらっしゃればなにとぞご一報ください。
連絡先 09063299900(山本慶太)
(山中のため少し繋がりにくいタイミングもあります。)」

※チラシは発見後は削除します。

 9/17は武平峠から御在所岳に登る登山道の滋賀県側の峠谷を遡行する予定でしたが友人?が9/16に遡行されたようです。

 9/12の18時30分の最後の電話をしてきた時点で本人は計画より下山が遅れたことで遭難したとの自覚するまでのアクシデントの事態にまでは成っていなかった。電話が通じたのは東雨乞岳だった。遊園地の御在所岳周辺も濃厚だから本人は近いところにいただろう。

鈴鹿の雨乞岳で行方不明2022年09月15日

捜索範囲
 FBのタイムラインにFBF父親が鈴鹿の雨乞岳で行方不明になっていることを伝えるコメントが流れてきた。アカウントは行方不明の父親だが発信者は息子さんである。現在までにネットのメディアにはアップされていない。
 9/12(月)に入山した。15時に東雨乞岳の写真を受信、18時30分頃「少し帰りが遅れます」の受信が最後になった。13日から警察、消防が捜索に入ったが15日現在までに発見されていない。それでFBFに発信されたのだろう。
 雨乞岳は鈴鹿山脈から離れているが第二位の標高ということもあり人気が高い。登山者が多いこともあり遭難者も多いのは仕方がない。多くは武平峠からの往復である。ところが道迷いの事故も多い。また稲ヶ谷では2021年5月に死亡事故があったばかりだし、2020年には雨乞岳で行方不明とされながら御在所岳に突き上げる黒谷で遺体で発見されている。
 往復だけでは物足りなくなった登山者は御在所岳をタッチして下山するのだろう。ヤマップにはそんな周回登山の記録も多数ある。今回の行方不明の人も御在所山への尾根か沢に取り付いて事故ったのか。滑落すると骨折、動けない、谷の中は電波が通じないとの想像から谷のどこかで遭難し救助を待っている。

コロナワクチン症候群③2022年08月15日

 長野県が県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。2022年8月12日に配信された第272号では、登山中の体調不良による遭難事故が多発してることについて言及。日頃から運動習慣がない人が登山をするのは、突然の発病や持病の悪化などのリスクがあることを説明している。

 8月12日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第272号では、期間中に起きた16件の山岳遭難事例について説明。以下に抜粋・掲載する。
1 8月1日、北アルプスの白馬岳で、7月31日から6人パーティで入山した81歳の男性が、山小屋に到着後に倦怠感等の体調不良を訴えて行動不能となる山岳遭難が発生。県警ヘリが出動して男性を救助した。

2 8月2日、中央アルプスの木曽駒ヶ岳で、8人パーティで入山した40歳の女性が木曽駒ヶ岳に向けて登山中、体調不良により行動不能となる山岳遭難が発生。県警ヘリが出動して女性を救助した。

3 8月2日、中央アルプスの木曽駒ヶ岳で、8人パーティで入山した40歳の女性が木曽駒ヶ岳に向けて登山中、体調不良により行動不能となる山岳遭難が発生。県警ヘリが出動して女性を救助した。

4 8月3日、北アルプスの槍ヶ岳で、8人パーティで上高地から入山した12歳の男性が、槍ヶ岳の山小屋に宿泊中に体調不良により行動不能となる山岳遭難が発生。北アルプス南部地区山岳遭難防止対策協会救助隊、松本警察署山岳遭難救助隊及び県警ヘリが出動して男性を救助した。

5 8月4日、北アルプスの常念岳で、2人パーティで入山した61歳の男性が、蝶ヶ岳から常念岳に向けて縦走中に疲労により行動不能となる山岳遭難が発生。5日に北アルプス南部地区山岳遭難防止対策協会救助隊員が出動して男性を救助した。

6 8月3日、北アルプスの白馬岳で、3人パーティで入山した58歳の女性が、白馬岳から下山途中に疲労による体調不良で行動不能となる山岳遭難が発生。大町警察署山岳遭難救助隊員と山岳遭難防止常駐隊員が出動して女性を救助した。

7 8月6日、南アルプスの三伏峠で、単独で入山した51歳の男性が、山小屋に滞在中に体調不良により行動不能となる山岳遭難が発生。飯田警察署山岳高原パトロール隊員及び消防隊員が出動して男性を救助した。

8 8月6日、苗場山で、4人パーティで入山した54歳の男性が、苗場山に向けて登山中に体調不良で倒れて行動不能となる山岳遭難が発生。岳北消防署員及び新潟県防災ヘリが出動して男性を救助した。

9 8月7日、八ヶ岳連峰の天狗岳で、6人パーティで入山した66歳の女性が、東天狗岳から下山中に体調不良を訴えて行動不能となる山岳遭難が発生。県防災ヘリが出動して女性を救助した。

10 8月6日、北アルプスの燕岳で、2人パーティで入山した64歳の男性が、合戦尾根を下山中に疲労により行動不能となる山岳遭難が発生。安曇野警察署山岳遭難救助隊員が出動して男性を救助した。

 
 長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス
8月1週、16件の遭難が発生しました。そのうち、疲労や発病による行動不能事案が10件を占めています。
以上
・・・これらの人がワクチンを接種しているかどうかまでは分からない。昨年春頃から始まったワクチン接種は9月までに60%の接種率と知った。かなりのものだ。だから感染が止ったのだろう。登山者への影響は昨年から出ているが少数だった。
 10件の事例のように疲労遭難が急増したのは今夏になってからだ。今は第七波の感染が波及している。政府も越県でのレジャーを禁止するとか、自粛は訴えていない。そのためにワクチン接種に疑問を抱いていた人らが自衛のために接種し始めた。且つ夏山シーズンに入った。山小屋では従業員が感染して休業に追い込まれている。再開、また休業という有様である。
 これまでになかった疲労遭難をどうとらえるか。私はコロナワクチン症候群と命名した。山仲間とのリアル交流も制限されてきてトレーニング不足は間違いない。登山は全身運動ゆえにワクチンの毒が全身に回る。結果的にいつもと違う倦怠感、どうしようもない疲労感が登山への気力を殺ぐ。2年間のブランクが筋肉量も減らした。当人らにしてみればこんなはずはない気持ちだろう。
 10人の年齢は
10歳代  1人
40歳代  2人
50歳代  3人
60歳代  3人
70歳代  0人
80歳代  1人
と偏りはない。

弥山・八経ヶ岳で行方不明の人奇跡の帰還2022年08月14日

 8/5から大峰山脈で行方不明の人らが救助された。助かって良かった。しかしどこでどう間違えたんだろうか。
8/4 地元に登山届を提出。弥山の小屋に泊まった。
8/5 弥山小屋から八経ヶ岳に向かった。そして山麓の民宿に着く予定だったが着かないので民宿から警察に連絡された。以来ずっと山の中でビバークしていたのだろうか。携帯電話の通じる所まで来てやっと救助要請の電話が出来た。
 地図を見ていると
八経ヶ岳から南西に伸びる尾根は1325m地点で赤線が止っている。この尾根に迷い込んで右往左往してしまったのだろうか。
 道迷いの原因は地図が読めないというよりは大抵は歩行中のおしゃべりである。麓に下りたら温泉に入ろう、宿ではビールを飲もう、などと心がそこにないと分岐のサインを見落とす。読図力より登山への集中力だ。
 ヤフーのコメントにはGPS云云かんぬんとか書いてある。こんな登山道や道標のある山でGPSなんか必携ではないだろうに。道に迷ったと思ったらまずは落ち着いて地図を見る。八経ヶ岳の山頂を踏んだのは間違いない。その時刻はスマホやカメラに記録される。そこから何時間かかった、とかで居場所を想定するのも良い。まずは山頂に戻る、地図で分岐などの道標が分かるところまで戻る。
 しかし、このお二人はそうしなかった可能性がある。動かなければ体力の消耗は抑えられる。でも助かって良かった。怪我もなく五体満足で下山できた。

コロナワクチン症候群②2022年08月10日

 カテゴリを新設してから過去のデータからも疲労遭難を拾って変更したが2021年は少しあったが2020年にまでは遡るまでもなかった。つまり2021年から急速に増えてきたと理解した。
 個人的には2021年9月で2回目のワクチン接種を終えた。それだけで全国的には感染が急速に治まってきた。明るい兆しと思ったが今年半ばになって第七波という感染が広がっている。そしてワクチン接種の摂取者は急減してきたが打っている人は少なくない数であろう。私は3回目、4回目の接種はパスした。
 夏になり登山熱が再開されるとワクチン接種者ももう大丈夫と登山するようになった。ところが山小屋では感染者が多くなり小屋のスタッフが感染して営業を休止に追い込まれている。
 そんな中での疲労遭難の急増はワクチン接種者の体調に変化が起きているとしか思えなくなった。ワクチンは毒の一種であり微量を体内に接種することで抗体を作り予防する効果を期待する。しかし体に合わない人もいるだろう。今しばらくはこんな状況が続く。
 コロナに感染しても症状が出ないためにワクチンを打ったのに登山すると異常に体力の不足を感じたらそれがコロナワクチン症候群である。今までにない疲労感、倦怠感、体調不良を感じたらワクチン接種を疑うことだろう。当事者は病院に訴えて見たらどうか。
 接種していなければ単にトレーニング不足、栄養の偏り、休養の不足。接種していればコロナワクチン症候群である。

コロナワクチン症候群①2022年08月09日

 山岳会のブログは山行報告のアップが主である。しかしそれだけではアクセス数を得られないから山岳関係のニュースを掲載している。曰く、山岳遭難、登山技術、登山道、山岳図書の紹介など。中でも山岳遭難はニュース性が高いせいかアクセスを伸ばすこと多々ある。
 カテゴリは
1 行方不明、道迷い
2 滑落
3 気象遭難
4 転倒・転落
5 雪崩・落石
6 傷病・熊・噴火等
で集計してきたが、このところ富士山や北アルプスを中心に疲労遭難が急増してきた。これは傷病に分類していた。急増してきたので7と8を新設して分類し始めたらまだ連続的に出てくる。
7 体力不足・疲労・体調不良
8 コロナ感染症(陰性、疑いも含む)
 これはどんな現象なのかは不明であるが、友人らとワクチン接種の有無の話をしていて気が付いた。おそらくコロナワクチン症候群ではないか、と。マスコミでもこんな表現はしていない。
 症候群とはなにか。
「症候群とは?定義、意味、「病気」との違いを解説 診断が難しい?厳密な名づけルールはない?」
https://www.askdoctors.jp/articles/200396
「症候群」の定義は何?
「○○症候群」とよくきくと思いますが、いくつかの症状や所見が一連のものとして認められ、経過や予後(医学上の見通し)などを含め特徴的な様子を示す“病的な状態”に対して、命名されることが多いようです。病的な状態を引き起こす原因については、
(1)原因不明のもの、
(2)さまざまな複数の原因があるもの、
(3)はじめは原因不明であったが後に特定されたもの、などがあります。それぞれの具体例で説明します。

(1)原因不明の例→シェーグレン症候群;ドライアイ、ドライマウスを特徴とする原因不明の症候群です(ただ、現在、自己の免疫<体内に入った病原体などと戦う機能>に問題の起きた病気であることまでは判明しています)。最初に発表した医師(この場合、スウェーデンの眼科医シェーグレン)の名前が付けられているパターンが多いようです。「スティーブンス・ジョンソン症候群」「マルファン症候群」なども人の名前です。

(2)複数の原因があるものの例→かぜ症候群;さまざまな病原体(主に数種類のウイルス)の感染が原因でおこる鼻水、咳(せき)、発熱などを主症状とする上気道の炎症ですが、経過は良好で、自然治癒するので原因は特定せず、まとめて「症候群」としての扱いになっています。

(3)原因不明だったが後に特定されたものの例→SARS;重症の新型肺炎を発症するSARS:重症急性呼吸器症候群(最後のSがSyndrome症候群です)は、当初、原因不明の感染症とされましたが、後に新型のコロナウイルスが原因病原体であることがわかりました。
以上

ジャンダルムへの道険し2022年07月26日


 24日午前7時25分ごろ、岐阜県の北アルプス穂高連峰の「天狗のコル」付近で、愛知県豊明市のアルバイト小澤優子さん(38)が、稜線からおよそ20メートル滑り落ち、死亡しました。小澤さんは登山仲間の男性と2人で登山中でした。(CBCテレビ)



 20日午前11時20分ごろ、岐阜県高山市奥飛騨温泉郷神坂の北アルプス・間ノ岳(2907メートル)近くの斜面で、県警山岳警備隊が男性の遺体を見つけた。所持品から身元は東京都板橋区前野町の会社役員の男性(48)と確認された。

 高山署によると、男性は17日から2泊3日の予定で、長野県の上高地から1人で入山。19日、家族から長野県警を通じて岐阜県警に届け出があり、20日朝から捜索していた。死因は多発外傷。西穂高岳から奥穂高岳に移動中だった18日、何らかの理由で滑落したとみられる。(岐阜新聞社)

・・・相次いで西穂から奥穂への稜線で死亡事故が発生。
 かつて自身で縦走に挑んだ記録から間ノ岳から天狗岳付近の抜粋

「さて、約3時間で西穂に到達すると、すぐに下降が始まる。ストックを畳んでパックする。鎖場になるのでスピーディには行かない。慎重に下降する。間ノ岳、天狗岩、天狗の頭を登攀したり、下降したりを繰り返す。緊張で喉がカラカラになるのでしばし休憩を入れて水を飲む。カメラ撮影は余裕がなく1枚も撮れなかった。
 我々は天狗岩付近から奥穂の遭難者を救助体制にあるヘリを見ています。
 岩稜の連続のみならず、脆弱な岩質、へつり、垂直の鎖場、ナイフリッジ、直射日光をまともに受けながら、緊張で乾いた喉を飴でごまかすがかえってねばついて飴が溶けなかった。
 それでも60代後半のロートル組2人は天狗のコルまでは辿り着けた。ここでは初めてルートの選択ができる。前進か、エスケープか。12時過ぎであり、ジャンにはガスが立ちこめる。遭難者の救助でホバリング中のヘリもガスが晴れないとみて引き返していった。結果、奥穂の小屋まで後4時間というか、午後5時になってでも行くか、どうか。2人で検討した結果、岳沢小屋へ下る方を選択した。相棒がかつて岳沢小屋から往復した経験がことがあったことも心強い。」
・・・・遭難された登山者はジャンダルムを経て奥穂高岳を目指していたんだろう。お悔やみ申し上げます。