「認知症パンデミック」が起こっている!ってさ。2020年08月26日

デイリー新潮
https://www.dailyshincho.jp/article/2020/08260557/?all=1

 週刊新潮8/27号のP27からP31に「認知症パンデミック」が起こっている!という特集記事が載っていて興味深く読んだ。
 愛知県の大村知事も「過剰な呼びかけは「自粛警察」の生みの親」として写真付で紹介された。要するにコロナウイルスの脅威を必要以上に煽りすぎというのである。
 デイリー新潮から重要な部分を転載すると「「コロナ禍で高齢者の足腰はだいぶ弱っていると感じています。屋内で転倒、骨折して病院に運ばれる人は増えているし、家に閉じこもっているとご飯を食べなくなり、メンタルも参ってしまう。みなさん感染したら重症化すると思って、外出しないように心がけているからです。だからなおさら、息子や娘が親の様子を見て“ここまですると逆に健康によくないよ”“散歩したほうがいい”などと助言することが大切になります。その点でも帰省には意味があります」
 知事たちが「帰省を控えろ」「移動するな」と強調する背景には、重症化リスクが高い高齢者を守るという建前がある。ところが、こうした圧力のせいで高齢者がむしろ危険にさらされている、という現実があるのだ。内科、循環器科医で、大阪大学人間科学研究科未来共創センター招聘教授の石蔵文信氏も言う。
「ここ2週間ほどで数カ月ぶりに会った3、4人の患者さんが、筋力や認知機能の低下が見られる“フレイル”という状態になっていました。以前は自転車で通院していた方が歩けなくなって妻が付き添ってタクシーで来たり、はきはきしていた方が認知症のように喋れなくなったり、2階にある外来まで階段を上がれなくなったりしていたのです。ふつう人は少しずつ年をとるのに、短期間で一気に衰えてしまったのです。私が定期的に診察している高齢者は100人もいません。そのなかに3、4人というのはかなりの確率。日本全体では何十万人もの人が弱ってしまっているのではないでしょうか」
 単純計算すれば、高齢者の4%程度に異変が起きていることになる。」
「「危ないのは75歳以上の、いままで活発に出かけていた男性です。女性は家にいても家事をし、買い物に行き、出先や電話で喋る機会もあるようです。一方、男性は外出を控え、家でワイドショーを見て怖くなって、さらに出られなくなる、という悪循環に陥っている人が多い。精力的に出かけていた人が急に閉じこもると、身体的、精神的に影響は大きい。散歩すらしないと一気に体力が衰え、認知症リスクも高くなる。認知症予防には社会的活動が不可欠で、このままでは“認知症パンデミック”と呼ぶべき状況になってしまいます」
 4%に異変が見られるなら、パンデミックはすでに起きている、と言うこともできよう。そして、だからこそ帰省が必要なのだ、と石蔵氏は説く。」

 思い当たるのは山岳遭難の前年比の急増である。上記の文の中にフレイルという言葉があったが、高齢の登山者の行方不明の激増と、発見されても滑落で遺体で発見ということも多い。怪我の増加とは無関係ではない。
 東海白樺山岳会ブログにアップしたのは6/19から8/25までの山岳遭難の一覧である。6/19以来63件発生した。8月だけでも48件になる。記事の件数だけで見ても昨年8月は40件、今年8月は8/25現在で56件にのぼる。毎年8月は遭難が多いが今年は突出して多い。63件中、60歳以上では23件、内死亡は11件あった。

http://tss1962.blog.fc2.com/blog-entry-1321.html

 筋力低下とフレイルを無自覚のまま登山して、行方不明になり、山道で転倒、転落、滑落したことと思う。5月前後の集計データでは高齢者の単独行が多いのが特徴だった。これは自粛中なので仲間を誘うことへの躊躇があったのだろう。
 緊急事態宣言で大きな影響があったのは経済だけではなく、こうした非日常の生活(帰省、登山、旅行など)にも大きな影を落としていると思う。

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