獲物を追う猟師山を見ず2020年05月21日

 4月末ごろから山岳遭難が急増している。特に高齢者の道迷いである。北アルプスは前年比激減というのは登山自粛を呼びかけた効果だろう。その分低山に回った気がする。高山の山小屋はクラスター感染を怖れて自分のシュラフ持参が条件になっている(御嶽山の山小屋)。これでは高齢者は今後も低山へ向かうだろう。それに連れて道迷いはもっと増えるだろう。
4月23日 大分・宮崎 傾山 70歳男性 行方不明 大怪我

4月24日 鈴鹿・霊仙山    81歳男性 行方不明 死亡(岐阜市)

4月27日 岐阜・垂井町    46歳・58歳 男性 行方不明(筍泥棒)

4月29日 鈴鹿・御在所岳   76歳男性 行方不明 死亡(鈴鹿市)

5月2日 北海道・空沼岳 73歳 山菜取り 滑落死亡

5月3日  鈴鹿・銚子ヶ口   58歳と64歳男性 行方不明 救助    (鈴鹿市と桑名市)

       近江・笹間ヶ岳   79歳 行方不明 死亡(大津市) 

5月12日 奥美濃・金草岳  70歳  行方不明(山菜取り) 安否不明 

5月15日 北海道・恵山    15歳 行方不明  捜索中

5月17日 北海道・洞爺湖  年齢不詳 行方不明(山菜取り) 死亡

5月18日 東北・焼石岳    72歳 行方不明  捜索中

5月19日 北海道・江別市   83歳 行方不明(山菜採り)  保護

5月19日 東北・田代岳    76歳  行方不明(山菜取り)  死亡 

・・・・GWの前から外出自粛に耐えきれなくなった70歳代の高齢者が登山や山菜取りで続々山に入り、行方不明になった。新聞に載っただけでこれだけあるから気が付かないままの記事もある。それにしても多い。
 人はなぜ道に迷うのか。山を見ていないからだ、と表題の教訓は教えている。猟師は山の隅々まで通じたように思うが獲物を追う内に夢中になると自分がたどったルートを忘れてしまうからいざ、下ろうと思っても下れない。やあ、これは大変なことになったと知っても遅い。山菜取りも山菜を追う内に自分の来た方向を見失い帰れなくなる。
 猟師でも山菜取りでも高齢者には認知症が進んでいることも考えられる。自分が何をやろうとしているのか分からなくなるのだ。比較的古いことは記憶しているが新しいことは次々忘れてしまう。ゆえに道迷いが多発すると思う。
 登山者は登山道を歩く限りは道に迷うことが不思議な気がする。それでも高齢者を中心に道迷いが多い。最近の道迷い、というより行方不明は自粛で筋力の低下を招いた結果、リカバリー力が低下してしまいバランスが悪くなり転倒、滑落し頭を打ったり、足の骨を折って行動不能になるのではないか。
 地形的には行ける(登れる)けれど後へ戻れないところもある。沢登りすると攀じ登れても下れない地形はいくらでもある。ロープがあればこそ生きて帰れる。沢は下りが怖い。それで上へ上へと追い上げられて行き詰まる。こんな地形をミノハという。昔は行方不明はもっと多かったであろう。

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