乗鞍岳の雪崩事故2020年02月05日

乗鞍岳・地形図(国土地理院)
 2/1に起きた乗鞍岳の雪崩事故の報告がアップされた。

乗鞍岳で雪崩 1人死亡 スノボ中に巻き込まれる
https://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20200202/KT200201FTI090010000.php

【調査速報】200201乗鞍岳・雪崩事故
https://www.nadare.jp/announces/6
●補記●
「降雨によって雪面が凍り、その上の新雪が滑るようにして雪崩れる」という表現はよくある間違いです。今回の雪崩は、再結晶化した雪(※)が歩く刺激で破壊され、発生しました。また、雪崩のすべり面は1月7日~8日にかけてのまとまった降雨あるいはその後の降雨によるものと推定しており、雪崩の原因となった弱層は、一定期間、積雪内に潜んでいたことになります。(※水蒸気が積雪内の温度差によって移動することで、雪粒子に霜が付き、雪粒子同士の結合力が低下)

再結晶化した雪の不安定性は、最初の刺激(今回は滑落)では雪崩を起こさず、複数人が滑走した後、その斜面全体が崩落する、といった事例が多々あります。積雪テストの結果もバラつくことが多く、雪崩対策の現場で働く実務者にとっても、取り扱いが厄介な雪崩です。

注:降雨について地元ガイドより指摘あり、一部表現を修正しました(2/4)
・・・乗鞍岳は若いころから通ってきた。これまでに雪崩で遭難した話は聞いたことがなかった。今年は雪が少なく、高山でも雨が降るような異常気象である。再結晶化という事象が報告されて新たな知識が提供された。元々スキーは雪を切るし、ボーダーはより深く強く切る傾向がある。原因は不明だが、降雪直後の不安定な雪であることには違いない。これはもう不運としか言いようがない。