年暮れぬ笠着て草鞋はきながら 松尾芭蕉2019年12月27日

 朝から年賀状を書き上げた。午前中いっぱいかかった。午後から近くの郵便局に投函。昨年は区内、市外、県外の区分があったが今年はないので枚数が激減したのか。63円にアップしたこともあるし。

 さて表題の句は人口に膾炙して名句である。旅の俳人の気持ちがよく表出されている。年暮れぬの「ぬ」は強い断定という。

 ググってみると

貞享一年(一六八四)四十一歳の作である。句意は

 笠をかぶり、草鞋はいたままで、今年もとうとう暮れてしまった。「ここに草鞋を解き、かしこに杖を捨てて、旅寝ながらに年の暮れければ」との前詞がある。

「野ざらし紀行」で初めて文学的行脚を経験した旅人としての、初々しい実感のこもる歳暮吟である。出典は『野ざらし紀行』。

熱田

   名護屋に入る道のほど風吟す
 狂句木枯らしの身は竹斎に似たる哉

   海辺に日暮して
 海くれて鴨の声ほのかに白し

   爰(ここ)に草鞋(わらじ)をとき、かしこに杖をすてて、旅寝ながらに年のくれければ、
 年くれぬ笠(かさ)きて草鞋(わらじ)はきながら

とある。
 三重県伊賀の山に行った際も句碑を見た。”ふるさとや臍の緒に啼く年の暮”だった。年末は旅人には心が落ち着くのだろう。ふるさとに帰ったり、弟子宅に世話になったりして気力を充実させる機会である。