恵那の雪ひとまず消えし小春かな 松本たかし2019年11月09日

岡田日郎編『山の俳句歳時記』から。

 恵那山は森林におおわれた山である。北アルプスの森林限界は南北で違うけれど2300.m以上、南アルプスや中央アルプスは2500m以上ですから恵那山は山頂まで森林におおわれている。
 そんな恵那山は東海地方から眺めると真っ黒な山体になる。降雪してもしばらくするとまた真っ黒になる。白っぽいのは樹林を覆っている間だけになる。
 南からは恵那山を眺める場所も機会も余りない。愛知の茶臼山からは見える。しかし初雪はたいていは北面に残る。
 作者の松本たかしはどこから眺めたのだろうか。たぶん伊那谷北部辺りからと想像してみる。この作者にはもっと人口に膾炙した名句がある。
    玉の如き小春日和を授かりし
 しかしやっぱり地名の持つ確かさ安定感は良い。具象性があって然りだ。

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