研究輯録-三遠の民俗と歴史 第8号発刊!2019年08月28日

 2年に1度発刊される表題の冊子と会報「さんえん」No71を昨日受領した。
 足元をさぐる地方史は良いものです。今まで見過ごしていた事物が実は歴史上重要な意義を見出して突然当時の生活が明らかにされる。記憶のための歴史のお勉強ではなくすぐ身近にある歴史です。
 神経衰弱というゲームにも似て、ぼんやり、なんとなく分かっていた事象を解読するように調べる楽しみがあります。
 例えば、「さんえん」に報告のある春の伊勢路(外宮)研修では北畠親房の故地を訪ねました。ここで青森の北畠姓との関連を地元ガイドさんに尋ねたらやはりここから出て行った末裔と分かった。
 それでGWには山旅を兼ねて、青森近代文学館を見学し、北畠八穂のパンフを入手、深田久弥作とされるが実は北畠八穂の作といわれる「津軽の野づら」の原作も読んだ。北畠八穂は児童文学者にして、山の作家・深田久弥の先妻であった。八穂の病気で不幸な別離になったが八穂は一層文学に磨きをかけてその道の大家になった。
 かつ深田久弥もこのスキャンダル(離婚する前に後妻との間に子供ができた)で小林秀雄や川端康成らの批判を浴びて鎌倉文壇を追われた。故郷に帰り大好きな山の文章を書いて食べてゆくしかなかった。結果として深田は日本百名山ブームを起こして山の作家として知らない登山者は居ない。
 今回は間に合わなかったが、次号にはこんな話をまとめて投稿してみたい。仮題「伊勢から津軽へ・・・『神皇正統記』の祖から生まれた児童文学者八穂へと文学の血筋を追う」。津軽は文学や芸事の宝庫なんですねえ。加えて縄文文化の果てでもある。司馬遼太郎は「北のまほろば」と紀行に書いた。日本の言葉というものはあそこで煮詰まったのでしょう。
 
目次
発刊のことば            会長 熊谷晧司

新城高等女学校第32回生の悲劇              
              城址保存館長 山内祥二

石仏の秘めている世界              
お地蔵さんから見えてきた世界
(石仏のイコノロジー) 
         大学・名誉教授  春日井真枝英

昭和17年の金属保有申告について
         古学協会員・当会講師 七原惠史

「参河国・延喜式内社」 ー26座25社巡り
                設楽支部 小川勝正

奥三河の奇祭「参候祭」            
                設楽支部 平松博久

大岡越前の守と新城市            
                新城支部 塩瀬眞美

池田輝政は西国将軍と呼ばれた      
                豊橋支部 中野豊光
   
禅宗寺院の役行者像             
                豊橋支部 夏目修二

一色氏の興亡と田原一色七郎正照   
               赤羽根支部 横田弘道

「飢饉時の食べ物と災害の記録」     
               赤羽根支部 渡辺賢治

あとがき
令和元年7月31日発刊。
発行者:三遠地方民俗と歴史研究会 
会長  熊谷皓司

注文申込先:TEL&FAX 0532-54-4947 
             編集委員代表  白井正