日本はどのように生まれたか(岡田英弘メモ)2019年04月04日



 日本では『万葉集』が編纂される八世紀より前から、舎人の柿本人麻呂のような天武天皇に仕えた歌人たちが出てきて、彼らのような漢字を使いこなせる人たちが、漢字を使って倭人の言葉を書き表わす工夫をする。
 漢文で書いたものを、土着の倭人の言葉に置き換える方法で、新たに「日本語」の開発を始めた。一連の日本文化、日本のアイデンティティを作り上げる作業は、日本の建国と同時に始まった。万葉歌人の中には、山上憶良のように明らかな華人もおり、日本建国初期のアイデンティティづくりに貢献する。倭王家を取り巻く華人の存在は、予想以上に大きかった。
 「日本人」とは何か。それは倭人、新羅人、百済人、高句麗人、仁那人、漢人など、日本列島に雑居していた諸種族の総称で、それを全部カバーする新しいアイデンティティとして「日本」という概念が生み出された。「日本」という国号は「倭」という古いアイデンティティを超越した、他種族統合の象徴だったのである。

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