映画「鉄道員(ぽっぽや)」観賞2018年01月07日

 浅田次郎『鉄道員』(1997年、集英社文庫)原作は直木賞受賞。映画化は1999年。監督・脚本は 降旗康男。DVDは2001年。
 やがて廃線になる北海道のローカル線の駅長が主人公。佐藤乙松は機関車の罐焚きから駅長に出世した。いわばたたき上げのぽっぽやだった。結婚して一女をもうけるが数ヶ月で死なせる。妻も早くに死ぬ。そんな時でも乙松は駅頭に立って駅長の役目を愚直にこなした。仕事第一の不器用な男に描かれている。
 そして物語の中盤から浅田次郎の世界に引き込まれる。それは亡くした女児が幻になって乙松にまとわりつく。少女、女生徒になり変わる。生と死、黄泉の国から一時帰国させて、リアルに描くと暗くなりがちなドラマをほのぼのとさせる。やがて乙松も職場の駅頭で倒れる。雪に埋もれるのだった。
 野外の特に山岳のショットの切り取り方に不思議な既視感があった。DVDの撮影監督を見るとやはり木村大作だった。「八甲田山」「剣岳点の記」など山岳映画の撮影で一人気を吐く職人さんである。
 浅田ワールドは初見でした。原作も買ってきて読んだ。さらに深まった。 高倉健が主人公役を演じるのは好適としても女房役の大竹しのぶはミスキャストのように思われた。田中好子が出ていたらしいが気がつかなかった。志村けんもはまり役だ。男優陣には不足はない。女房役にもう少し苦労が顔に刻まれた女優は居なかったのだろうか。余りにも儚い演技でした。否それが彼女の演技なんですね。
 でもね小津安二郎なら哀しい時は哀しさを見せないんだという。難しい役です。台詞を与え過ぎるのかな。
  露の世は 露の世ながら さりながら     小林 一茶

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