奥三河・宇連山を歩く2016年05月01日

 4/29の朝、朝寝坊して予定の時間から2時間遅れて名古屋を出た。新東名を走り、新城ICで出るとR151になる。名古屋ICから約40分であった。大海から左折して設楽方面に向かう。海老という町から棚山林道に入り、川売(かおれ)の奥へ登る。つづら折れの道を登ってゲートまで。11時半過ぎに出発できたが、宇連山へは最短距離の道を歩いた。
 ゲートから右へ山道が伸びている。これは東海自然歩道である。今日はゲートを通過して林道上を歩く。風が大変に強い。蒼天という言葉がぴったりするような青空が広がる。山は新緑に萌えあがる。山笑う季節である。林道は棚山沢の橋を渡ると棚山760mの裾を巻いて、鍵掛沢をまたぐ橋を渡る。以後は右岸に沿う林道を歩くことになる。棚山林道を右に分けるとすぐに大島の滝になる。しばらくすると林道は左岸に移る橋を渡る。すると左岸の岸辺から東海自然歩道と合流する。
 ゲートで分かれた東海自然歩道は棚山沢に沿い、棚山高原の山中にあったバンガローの間を歩き、左折。森の中から棚山林道を経て、鍵掛沢の左岸に沿う山道に入る。大島の滝を経て、ここに至る。東海自然歩道は林道をしばらく歩いた後で左の沢に下る。植林の中の沢沿いの涼しい道は暑い日には助かるだろう。この道もすぐに林道へ導かれていく。一時的な迂回路である。そして宇連山の道標の立つところで再び植林内の山道に入る。林道をそのまま歩いても仏坂峠からの道に出会って右折すれば宇連山に登れる。
 今日は最短の山道へ行く。登りはじめこそ急だが、すぐにトラバースするような緩やかな傾斜の山道を歩く。沢を二つばかりまたぐ。前方が明るくなると尾根を乗り越す。ここから愕然とする光景になった。森林が伐採され、新たな林道が工事中だった。山頂につながる尾根の乗り越しにはロープがあり、行くな、との表示に見えたので進んでみるとやや荒れ気味になった。上を振り返ると明らかに山頂の東屋も見えるので乗り越しまで戻る。尾根の切り開きを歩くと山頂に着いた。仏坂峠からの道も別にあった。2時間余りかかった。
 山頂からは三ッ瀬明神山が素晴らしい山容である。宇連ダム湖も見える。遠方には恵那山や南アルプスも見えた。休んでいると多くの登山者が登ってきた。結構のんびりしている。
 下山は棚山経由にして県民の森への尾根道を下った。途中のコブから右に明瞭な山道が下っていく。赤布もあるのでここを下った。以前は道標があったが今は消失したようだ。尾根一杯の切り開きを疑いもなく下るが、829mを過ぎて行く辺りから山道が螺旋階段のように急降下するように見える。地形図の表現以上に思えて下るのを止めた。枝道を探しながら戻ったがないので山頂へ戻り、来た道をくだった。出発が遅いこともあり冒険は出来なかった。帰りはR257、R153を経て帰名。道の駅では地物野菜などを買った。

 5/1は再び宇連山に向かった。県道58、R153、R420、R151と勝手知ったる奥三河の道を走り、再び海老の登山口に行く。
 今日はゲートから右の東海自然歩道に入る。棚山沢の流れる音を左に聞きながら、植林と雑木の入り混じったやや急な暗い道を登る。朽ちた木の橋を二か所渡る。山道は度々の大雨で土が流れて石がごろごろ浮き出て荒れている。再び橋を渡ったところが棚山高原キャンプ場である。
 今は廃屋となったバンガローがいくつも山中に残っている。潰れた家屋もある。昭和50年代までは活気があったと思うが、経営していた川売の中で利害対立があり、施設を残したまま閉鎖されたという(『名古屋からの山なみ』の宇連山の項)
 昭和49年に東海自然歩道が全通。ここも多くの利用者を得たと思うが、考えられることは入会権と水の汚染ではなかろうか。何しろ、源流の水がキャンパーの流す水で汚染されるのは忍びない。
 東海自然歩道は車道のように広くなり、バンガロー村から左折する。棚山へは車道を直進する。、キャンプ場を過ぎると東屋がある。ここからは棚山林道が左から合流してくる。宇連山への道標があり、先で東海自然歩道と合流する。更にその先に副川へ下る道標がある。鳳来寺山へは左折し、途中に瀬戸岩分岐があり、2~3分で断崖絶壁に立つことができるので立ち寄る。戻って、鳳来寺山への道をたどると見た覚えのある尾根に来た。京都からの友人を案内した687.9mの三角点のある尾根だ。尾根の途中にあり展望もないがマニアにはそれでもいいのだ。
 「ここからは東海自然歩道ではありません」という道標がある。宇連山へ行く山稜である。低い笹の茂る幅のある山道である。そしてこの道筋に758mと760mの棚山がある。多少のギャップをいくつも乗り越えて自然に通過してしまいそうな棚山である。どちらも展望はない。678mのところに東海自然歩道との通路があるが分かりにくい。大きな平らな岩の展望台があるが通過する。
 だらだらした山稜を行くと突然巨岩が立ちふさがる。ここが御料局三角点の彫られた岩である。初めて見た後、「愛知アルプス山行記」に投稿。それが波紋のように拡散された。正式には点名「大嶋」という。すると下にある大嶋の滝と符合する。
 Wandaer!さんのサイト
 http://wandermountain.fc2web.com/tanayamahoten.html

 三角点一般のほか御料局三角点の造詣が深い上西勝也氏
 http://uenishi.on.coocan.jp/k740goryoukyoku.html
久々に上がって見たら以前のままで安心した。京都の友人らもこの御料局三角点がお目当てであった。
 この大岩は乗り越えられないので左(西)の踏み跡を行く。すぐに鞍部に着いた。小岩を組んで何かの印になっている。すぐそばに西へ下る道があり林道が見えている。ここが林道との接点で一番近いようだ。
 この鞍部からちょっと登ってみて、下を見下ろすとすごい急斜面で螺旋階段のように見える。更に登ってみて4/29に引き返した地点と確信した。棚山と宇連山を結ぶ稜線と確認したのでそこで引き返した。あったはずの道標がないので不安だったが直観的にはこの筋しかないと思っていた。
 逃げ道から林道に降りて今度は左岸への橋の手前から東海自然歩道をたどった。稜線との通路、大島の滝を経て棚山林道に合流。しばらく歩いて山道を下るとバンガロー村に着いて一周したことを確認した。二日がかりの山行になった。