ぶな太郎に会いに行く2016年03月26日

ぶな太郎
 金蔵連峠に着いた。すぐに森林内への不法投棄をパトロールの三州足助公社の軽トラが来た。ぶな太郎の場所を聞くと教えてくれた。あいにく地形図を忘れたが見当はつけてある。11時20分に出発。膝痛を抱えているので2本のストックを使う。
 やや急坂を登るとすぐに林道が交差する。少し先に尾根への入り口がある。尾根通しにいい道を歩く。この先は単調な植林の尾根を歩く。右前方に山頂部が自然林に覆われた大きな山が見える。あれは寧比曽岳か。すぐに筈ヶ岳分岐に達するが休みなし。急な坂を下る。林道が縦横に交差する。そのまま尾根へ登り返すと小さなベンチや防火水槽のあるコブに達する。若い多人数のパーティとすれ違う。小休止する。
 ここから緩く下るとまた左右から来た林道が交差している。左が中山林道からの延長だろう。ここまで12時30分だから1時間10分ほど。峠で聞いた話の通り、左に林道が分かれている。自然歩道から別れて林道に入ってみるが、終点で右から来た自然歩道に合流した。自然歩道は小さなコブを越えるので近道にはなった。992mへ登る尾根の基部になっている。左手の2mくらい離れた杉の木2本に黄色いテープが巻いてある。その間に踏み跡が奥へと続いている。
 教えてくれた道は、ああ、これか。12時48分、奥へ踏み込むと、黄色いテープが続いていく。微かな道に見える。かつてはよく来る人がいたらしいが、今はあまり来ないとも言われた。しっかりした道ではないが迷うこともない。5分で「ぶな太郎」に着いた。周囲を虎ロープで囲ってある。なるほど堂々とした風格がある。
 樹齢200年という。合体木ともいう。根は合体しているが幹は微妙に分かれている。高さは20mはある。太平洋型混交林だったのだろうが、周囲は杉の植林で落葉樹はない。
 白山や奥美濃辺りで見る巨木とは成り立ちが違う。あそこのは太い幹のまま天を突くように伸びて、枝分かれする。
 13時過ぎ、自然歩道に戻ると、峠で見た単独の女性ハイカーが驚いた顔でこっちを見た。熊じゃないよ、とメッセージを送る。元来た道を戻る。筈ヶ岳985m分岐で山頂に立ち寄る。13時37分。三角点の1つは踏んでおきたい。ここで初めて昼食タイムとする。峠まではさほどかからない。
 14時55分。峠まで戻ると、次は新盛町の㈱山恵を目指す。今年開業したジビエの店だ。ジビエとは山のイノシシなどの野生獣を仕留めて肉として売る。これを山からの恵みとして事業化したのである。イノシシの肉を少し買ってみた。工場では今、イノシシの解体中だった。開腹して皮を剥ぎ、ブロック肉を切り取る。これを精肉して冷凍してある。思ったよりは順調に売れているとか。
 山旅の民宿や山宿では山肉がごちそうになる。これまでに九州の宮崎県は大崩山の宿で鹿の刺身を食べた。福井県の勝山では熊の処女の刺身のルイベを食べた。子を産んだ熊の肉は硬いらしい。新潟県では熊鍋をいただいた。肉片はあまり味わえなかった。イノシシの鍋は比較的食べた方である。供給が安定すれば足助名物として宿で出すのも良い。その後、百年草で汗を流して帰名した。正常に歩けるので膝には負荷が少なかったようだ。