第15回東海岳人写真展 2016山と自然のパフォーマンス~始まる2016年03月16日

 3/15に開幕した写真展に行ってきた。山と自然のパフォーマンスと謳うだけあって、構図や切り取り方はまちまちで垢抜けしないものの登山者の息づかいが感じられる作品ばかりです。
 私も岐阜県奥美濃地方でいち早く雪が来て、春遅くまで雪が残る「春の能郷白山」と飛騨の「茂谷の沢登り」の2本を出品した。また、友人が出品した鈴鹿のツメカリ谷の深淵を私が泳ぐショットも中々に好評だそうだ。
 およそ山岳写真とは国内か外国の岩の尖った山岳、雪山が主流になろうか。加えて朝焼け、夕焼けがある。登山者とは登山道を歩くか、せいぜい岩を登る、雪の山を登るくらいしかテーマはない。
 しかし、長く山をやっているともうそんなありきたりのテーマでは感動しなくなる。そこで沢登りを思いついたというわけである。沢中だから当然濡れる。普通にはカメラを出しておれない。それが、エメラルドグリーンの淵をヘルメット姿で背中にザックも背負いながら泳ぐ。沢の写真自体が稀有である。しかも、登山道から撮影するのではなく、撮影者も濡れた身体のままで撮影する。貴重なショットになるわけだ。
 それにしても低山を楽しむ登山者が減ったせいか、奥美濃や飛騨の何でもない山の写真が少ない。山は名山ばかりではないことを知って欲しいものと思う。
 「春の能郷白山」はだだ山容だけではない。山腹の残雪と山肌との斑模様がネガとして見える雪形を想像するのも楽しいではないか。明治の鹿鳴館で踊るような貴婦人、江戸時代の娘さん風、猪などが見える。もっともにぎやかな春の能郷白山である。想像力を働かせないと見えないが。
 山麓の白山神社では毎年4/13に猿楽が奉納される。その奥宮がある信仰の山であり、別名は権現山とも称される奥美濃随一の名峰である。5月も半ばになればシマウマ模様となって緑の山に変わる。
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