翼よこれが故国の地だ!2016年01月31日

ヤフー知恵袋には7年前にこんな投稿がされた。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1229836062;_ylt=A2RiqhcKIqxWgQsANQBL__N7
零戦について質問なのですが
何故現在の日本には実際飛べる零戦が無いのでしょうか? 太平洋戦争終結時にGHQにて処分されたのは知っています。しかし今の技術なら復刻版を造るのは容易ではないかと思うのですが。勿論意味が無いのは判ってますがイベント等で飛ばしたりすれば戦闘機好きには勿論の事、子供達等の歴史教育に良い教材だと思うのですが。以下略。
以上

 もうひとつは6年前のヤフー知恵袋の質問から
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1043620400;_ylt=A2RAqgOGJqxWEXkAkp2_.vN7
国内所有のゼロ戦は、なぜ復元しても日本の空を飛べないのですか。法律で規制されていると聞きましたが。ゼロ戦は美しい美術品と私は思います。国内所有の飛ぶ姿のゼロ戦を見たいですね
以上

 質問者の夢が実現したのである。多くの人が叶わないと思いながらもかすかな希望は持っていた。そんな人らが多額の寄付をしてこの夢は実現した。

産経新聞
http://www.sankei.com/west/news/160127/wst1601270114-n1.html

 1/27、日本人がオーナーの零式戦闘機が初めて、日本の空を飛んだ、ということがニュースになり、多くの動画が投稿された。鹿児島県鹿屋市の自衛隊基地から鹿児島空港に向けて飛んだわけだが、大人気のようだ。ゼロ戦は機体が美しい。あちこちで機体は見るが飛行する姿はなかなか見られない。実物を見た人は満足だろう。
 オーナーはニュージーランド在住の日本人実業家の石塚政秀氏。購入から維持整備、飛行まではこのHPに詳しい。
https://readyfor.jp/projects/zerosatogaeri

 日本の航空工業技術の粋と絶賛されるゼロ戦。機体は三菱が設計、エンジンは全量中島飛行機製造だったという。生産も半分は中島が担当した。
 敗戦で航空機の製造は禁止。航空機製造の技術は断絶させられた。戦後、中島飛行機にいた航空技術者は鉄道屋になり、新幹線を実現させた。あるいは、当時はオートバイメーカーだった本田技研工業に入り、世界一のオートバイを造った。後年、世界初のCVCCエンジンのシビックを造った。財閥解体で散らされた中島飛行機はうち6社が集まって富士重工業、つまりスバル車を造った。もう1社の富士精密はプリンス自動車になり、スカイラインを造った。今は日産に引き継がれた。みな素晴らしいクルマである。技術の源流をたどると、ゼロ戦に行き着くわけだ。だから文化遺産としたい意向があるようだ。

 元気の出る話である。日本人は自信を持ち、誇りをもって生きよ、と教えている。道楽ではないのだ。日本人は先を見越して、良いこともみな捨ててしまう。そして一斉に新しいことへと関心を移す。移り気なところがある。今となっては古い骨董品だが、先人の技術を磨く心を大切にしたいということと理解した。