南信州・蛇峠山馬の背吟行記2015年09月26日

 9/20から9/24にまで及んだ北ア・内込谷遡行の疲れは残るが、老体に鞭打って、ご近所の俳句好きの老友3人を伴って、表記の場所へドライブとなった。名古屋から約100km未満。R153をたどると2時間ほどで治部坂峠に着く。峠を右折し、別荘地を抜けるとNTT無線施設のゲートで車止め。
 1457mの標高ながら、あいにく低く雲が垂れ込めて、日本アルプスや八ヶ岳方面は遠望できず、矢作川源流の大川入山すら雲に隠れるので、馬の背を散歩するのみ。
 しかし、それでもススキが生い茂り、菊の花、竜胆、四葉塩釜などが咲いている。来た甲斐があった。風はさはやかそのもの。目にするもの、手に触れるものみな秋の風情を漂わす。芝生に寝転がって信濃の空を仰げば行雲に見とれる。山霧が流れてきて、涼しさが増す。愛知や美濃にはない高原が美しい。
 吟行を終えて、峠のレストランでちょいと買い物後、三国山の亀甲苑で名古屋コーチンの食事でも、と向かったが、もう夕飯の用意中とかで断られた。亀甲石のみ見学して下山。稲武地区の道の駅に向かった。ここでもちょいと地の食べ物を買う。足助の外れの川魚料理屋で鰻丼を食す。料理屋の窓からは巴川で鮎釣りする人が見えた。そろそろ鮎漁も終わる。 

秋雲に取り巻かれてゐる蛇峠山

さはやかに膝の痛みも癒されぬ

秋草にしゃがみこみ名を言へり

秋風にとどまる思い断ち切れず

友と死に別れ野菊を供花とせよ(O女の友人がガンで逝く)

紅玉のげに紅き色林檎かな

秋蝶のもの寂しげに花に舞ふ

竜胆のごとくまっすぐ伸びて咲け