北アルプス・十石山を歩く2015年09月12日

 9/11の夜8時、北アルプスの槍穂高連峰の大キレットの踏破を目的に出発。高山市清見の道の駅で仮眠。9/12朝5時30分過ぎ出発。途中のレストランで朝食をかきこむ。天気予報はまたまた大きく崩れて、9/12は快晴だが、9/13は崩れて降雨もあるとのことで、急遽中止した。別の山に転戦することを検討した。候補として錫杖ヶ岳が挙がったが、あそこはクライマーの死者の霊がさまようところなので気合を入れて行きたい。気楽な低山も数々あるが、健脚3人の山婆様が納得しないだろうと、登りでがあり、登り甲斐、展望も良い、アクセスも良いと十石山を選定した。

http://maps.gsi.go.jp/?ll=36.161335,137.608266&z=15&base=std&vs=c1j0l0u0

 標高も2525mあるが、恵那山より高いものの、周囲の名峰の乗鞍岳、穂高連峰に囲まれて、格落ちする。しかし、人の多い槍や乗鞍よりも静寂な原生林の森をぬう登山道と展望は素晴らしい記憶があった。

 清見からr158を辿り、平湯温泉から安房トンネルをくぐって、白骨温泉に向かう。登山口はスーパー林道から登った記憶を頼りに、今は使われなくなった林道の料金所ゲートを通過した。急なカーブをこなしながら進むと工事中の現場で通行止めになった。その先の下った辺りとうろ覚えしていたので、通行止めの前に駐車して歩く準備中に工事関係者が来て退去。1人に聞くと少し下ったところの登山口を教えてもらったので移動。メンバーにスマホで「十石山 白骨温泉」で検索してもらうと、地形図もヒットしたので、この道にまちがいないと確信した。
 なるほど、十石山の登山口の看板はないが、それらしい道標はあり、登山道が続いている。ここは急カーブの膨らんだ左端で、地形図では温泉から来る登山道とはつながっていないが実際にはつながっている。標高1420M辺りになる。pはないが5台は置けるスペースがある。
 8:30過ぎ、出発。最初は唐松の植林内を登る。喬木の針葉樹が林立する平になると、15分くらいでスーパー林道から来る登山道との三叉路に着いた。林道からの登山道は笹がかぶり整備はされていないようだ。
 ここから左折して急斜面の森の中の登山道をジグザグを切りながら登る。白樺の大木もあり素晴らしい原生林である。ジグザグを終わると平らかに成り、1835Mの山腹を巻くような平坦な登山道になる。ここらあたりは樹高30M以上はある原生林で鬱蒼としている。平坦な道が終わるとはっきりした尾根道を登り、眼下には梓川の谷間も見える。樹高も段々に低くなってきた。
 途中で休みを取りながら高度を稼ぐと樹間から穂高の一角が見えた。不思議なもので少しは苦労が報われた気になって疲れが軽減された。一本調子の登りが続く。周囲にはナナカマドの紅葉と赤い実が目立つようになった。足元にはツルリンドウが見える。
 周囲の樹木がみな低くなって、草地が開け、ナナカマドの潅木帯になった。ここのナナカマドは実は赤いが葉が青い。夏は高山植物の花々の咲き乱れた風景が想像される。地質は風化花崗岩で一部風化して崩れた箇所もあった。そこは初夏でも雪渓が残りそうで水が取れるだろう。ここから十石峠小屋はすぐだった。小屋は堅固に造られ立派なものである。
 山頂へはハイマツの稜線を乗鞍岳に向かう。登山道は風化して崩壊しているところとぎりぎりで通る。いくらもアルバイトすることなく三角点のある山頂だった。その先は登山道ははっきりしているがハイマツが立って歩きにくい。ここで首に巻いたタオルを献上したようだ。?
 小屋に戻る途中、焼岳よりの小高い丘に寄ると一層眺めの良い場所に着いた。小屋に戻って中に入るときれいに使われている。一と晩泊まってみたい。水は桶に貯めた天水が利用できる。
 下山は往路を戻った。s君が膝の故障を訴えたのでテーピングした。登山口の手前で山猿の大群に出会った。驚いたが、山猿の方がもっと驚いただろう。ボス猿が警告の叫び声を発して、素早く、大木を逆さまに下りた。ぞろぞろと猿の群れで山がざわめいた。登山口には約2時間半ちょっと。往復6時間の手応えたっぷりのワンデイ登山だった。
 町営の露天風呂(510円)に入湯。車道から階段を相当くだった。湯沢と湯川の合流する手前にある。白濁はしていないがいいお湯であった。帰路は久々に境峠を越え、r19経由で帰名。