鶏毟るべく冬川に出でにけり 飯田竜太2014年12月24日

 おとといからスーパーの店頭にはやたら鶏肉の特売が多かった。ももや丸焼きも多かったのはクリスマスの商戦のせいか。おかげで鶏がらの冷凍品ではなく、生の鶏がらも山積されていたので1つ買った。
 子供の頃から鶏肉は好きなので良く食う。年末になると、飼っている鶏を1羽潰して、晦日蕎麦の汁に使うのが恒例だった。祖父も生きていたから小学生の頃、父の言いつけで首をひねった鶏を冬の川原で羽を毟った。北風に吹かれて白い羽が水面に舞い上がった。
 表題の句は子供の頃の体験につながるのである。鶏の出しのきいた晦日蕎麦を腹いっぱい食べた。今は都会生活者なので望むべくもない。石油ストーブに鍋ごと載せて、醤油で調味すれば簡単に鶏がらのスープが出来あがる。もう年末ムードだから朝食代わりに蕎麦を食べた。