乗鞍岳の徳河谷パーティは無事だった!2014年09月07日

 東京から来た沢登りの5人パーティが、北アルプス・乗鞍岳に突き上げる徳河谷に入渓して、その日に下山しなかったために車を駐車されたキャンプ場の管理人が心配して警察に届けた。ヘリで捜索の結果、発見されたらしい。パーティは遭難したわけではないと、救助を断り、自力下山すると伝えたそうだ。
 駐車場の管理人は駐車を沢登りは危険だからと、断ったらしい。それでも1泊分の料金を払って出発していったとのこと。この報道では登山届云々は書いてないので、不明である。5人の代表からすれば、自己責任だから、と届けなかったものか?
 実際、沢登りは救助する側の方にも危険が大きい。岩登りは垂直なので捜索救助は専門的になるが、範囲は狭い。徳河谷の地形図を眺めても距離は長いし、範囲も広い。組織された山岳会ならば救助体制もあったと思われる。
 それに、東京からわざわこんな遠方の沢に来るのだからよく研究しているはず。沢中1泊の予定ならば、技術も体力もあるのだろう。捜索されているなんて思いもよらないことだったと思われる。
 ではなんでこんな大騒ぎになったのか?
 やっぱり、管理人に登山計画書を渡すか、口頭で、万全の体制で遡行するんだ、と説明するべきだったのではないか。

 捜索する側と当事者とのすれ違いは私にも経験がある。
 木曽のスキー場を2ヶ所つないでスキーツアーをしたが、メンバーが谷に落ちてしまった。事なきを得たが、谷底から稜線に戻るために、時間が大幅に遅れた。下山予定のスキー場で待機していたメンバーが約束の時間に帰らない為に、心配してパトロールに届けた。そのために捜索隊がスノーモービルで救助に向かい、林道を滑走中に出会った。その際の第一報が「遭難者を発見」であった。我々は発見されたのか、とがっくりした。当方には遭難したという意識はなく、救助を求めたわけではなかったからだ。それでもすっかり暗くなったスキー場の1室でパトロール員に謝礼を言って帰った。
 もう一つは、
 これも中央アルプス南部の安平路山に突き上げる大西沢を遡行したときのこと。廃村・松川入には誰も居なかった。大堰堤を越えて、大西の大滝も見た。順調に遡行し終えた。安平路山の頂上を踏んで、避難小屋に泊まった。翌朝、摺古木山を経て大平宿に下った。その際、飯田市からジャンボタクシーがお客を乗せて来たので、帰りに松川入まで寄ってくれと、交渉すると気持ちよく格安に乗せてもらえた。
 松川入りに着くと、無事下山できた喜びも束の間で、そこに御影工業高校の遭難碑の管理をしていた老人がいた。その人の話では夜通し、爆竹を鳴らしたり、花火をあげたりして、下山を待っていたと聞かされた。車が1台ぽつんと置いてあるので、もしや遭難しているのではないかと訝ったのである。
 「待つ身は辛い」とよく言われるが、大西沢の沢登りとは露知らず、待っていたのである。そこで、我々は丁重に謝礼を述べて、老人の仮設小屋に入って山の話をとっぷり聞くことになった。老人が入れてくれたコーヒーを飲みながら「遭難して、誰も慰霊に来ないのは寂びしがる」から花を植えたりして管理しているという。まして高校生と教師を含む7人の遺体はあがっていないから尚更だろう。元消防署員で、遭難事故当時は捜索にも加わった。定年後は誰もいない廃村に来て見守っているのだという。
 今回の騒ぎにせよ、自分の体験にせよ、われわれ、登山者は社会に対して随分心配をさせている。社会とつながっているので、そうさせない心がけが大切だと思う。マイカーの見えるところに登山計画書を置くとか、沢中でビバークすることが分かるようにするとか。今年の夏は谷での死亡事故が続出しているので、関係者はまたか、と肝を冷やしただろう。
 今回は無事で良かったですね。

コメント

_ (未記入) ― 2014年09月08日 11時49分15秒

こんにちは。初めてコメントします。既に読まれたかと思いますが、今日の中日新聞を読んでみて下さい。もう少し詳しい事情がわかるかと思います。

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