台高山脈・古ヶ丸山を歩く2014年06月02日

 5/31(土)。5時40分、東海ICから伊勢湾岸道に入る。これだけ早いと四日市からの渋滞にもあわずに走れる。ところが天気が良すぎて、松阪まで来ると霧が濃くなった。勢和多気JCTから紀勢道にかけて霧の中を走る。自動車走行には恐いが、この霧が名産の伊勢茶を育ててきた。今日は大宮大台ICで下りて、R42を若干戻る。三差路で大杉谷の方面に向かう。
 しばらくは県道を走るが飯高から来たR422になる。R422は古ヶ野まで延びて山越えに向かうが切れている。盲腸のような国道である。宮川には多くの鮎釣りが糸を垂らしている。
 登山口は犁(からすき)谷の橋を渡った番屋にある。ここには駐車場、東屋、トイレ兼着替え室もあって登山者に親切なところだ。谷コースと尾根コースがあるが、尾根を選ぶ。入り口はすぐに見つかる。
 9時過ぎ出発。最初は急だが、すぐに平になる。直角に左折して小谷に沿って登ると尾根の端緒に取り付くところに道標があった。これまでもこれからもずっと杉や桧の植林の中なので直射日光を浴びずに済むのがありがたい。
 865mの柁(かじ)山に着く。周辺には落葉広葉樹の自然林の大木が結構残されている。登山口の168mからここまで比高697mなので67%を稼いだことになる。残り345mは距離は長いが、素敵な尾根歩きが続く。意外なほど太く高いぶなの天然木も見た。樹齢数百年はあろうか。往時の植生の豊かさを思う。樹林の間からは迷岳が大きく見える。
 急俊な道を凌いで、1056mの奥芋口に着いた。ここから谷への登山道が下っている。一休みしていると虫がうるさいので出立する。緩やかになった尾根上にはシロヤシオがそこかしこに咲いている。植生も自然林になって若葉が目に優しい。足元はいつしか岩がゴツゴツでてきている。今日最初で最後の登山者に出会った。神戸NOの登山者か。
 多雨地帯なので表層が洗われて古成層がむき出している感じだ。大きな岩の間を攀じ登ったり急登も強いられる。山頂直下は特に急俊でやれやれの思いで登頂した。
 3度目の山頂であった。所要時間は12時半着、3時間30分だった。
 ガスが濃くて遠望はきかない。周囲はシロヤシオだらけだった。その花にたかる虫でうるさく、昼食をとる間もなく20分ほどで退散した。かつては更に白倉山まで足を延ばしたこともあった。赤テープに誘われて少し歩いて見たが踏み跡は薄いので余り歩く人はいないのだろう。
 どこかで昼食にいい場所はないか探しながら歩いたが奥芋口までなかった。ここで少しつまんで小腹を満たす。
 尾根を戻るつもりでいたが、赤テープに誘われて谷へ下ってみた。ほとんど記憶はない。尾根を下るだけ下って、途中から山腹を横断する。このイメージは記憶にあった。崩れた山道が若干やばい、と思ったが難なく通過。鹿避けネットをくぐり、しつこく山道を下りつつ横切る。ネットくぐりは数度繰り返す。
 途中、ジグザグの道の折り返しを突破して直進してしまい、迷いかけた。薮っぽくなり、踏み跡も薄くなるので戻った。ちゃんと入り込まないように倒木で通せんぼしてあった。立派な杉の高木地帯を横切ると谷を渡る。ここの水が美味かった。更に歩きとおすとレンガ滝への通行を注意喚起する立て札があり、反対に下ると林道にぽんと出た。15時5分だった。林道歩きは約50分だった。
 トイレで体を拭いて着替えする。次の目的地は道の駅「海山」で車中泊。R42まで戻り、尾鷲市まで走る。尾鷲まで53kmの表示がある。近くない距離である。長島ICからは無料区間になり、交通量の殆ど紀勢道に移ったのでスイスイ走れる。GSや喫茶店、レストランなど閉店の憂き目にあった店を見たが、世の移り変わりは避けられない。
 尾鷲市のスーパーで夕食とビールを買い込み、道の駅まで戻る。暑いのでビールはぐいぐい飲めるが食欲は今一。特に油の多いものは受け付けない。薄く切った蕪を載せた小鰯の鮨だけは舌が受け付けた。この季節は酸味のある鮨に限る。さんま寿司、目ハリ寿司などご当地の美味いものは酢がきく。鮨本来の味はこんなものだったはずである。ゆえに鮨は夏の季語にもなっている。それに鰯は新鮮でなければ・・・美味しいはずである。

 よく馴れし親指ほどの鰯寿司     拙作

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