12月の俳句2013年12月14日

    忘年山行

山寺もいそいそしたる師走かな(明星ヶ岳の国分寺)

背の順に三兄弟の山眠る(三子山、北から順に低くなる)

冬日和伊勢湾も見え知多も見え

茶の花と知らず鈴鹿の峠道

茶の花のごとく目立たず生くるべし

枯木立山から山へ歩くなり

枯芝や石灯籠の碑も風化(鈴鹿峠)

来年の山語りおうて年忘れ

冬山や携帯電話で聞く訃報(12/8の朝、叔母が死去)

     葬儀

はらからの集ふ田舎や山眠る

冬服を脱ぎて喪服に着替えたり

葬儀場冬田の中に建ちしかな(JA)

冬の夜懐かしき顔通夜でこそ

妻死んで着膨れの叔父慟哭す(自宅からの別れにて)

北風やベンツに棺を納めたる(霊柩車)

斎場で待つ間にみかんなど食べり

冬菊をひとつ摘みて棺に置く(告別式)

短日や墓参は明日に致すべし(初七日の後の墓参は延期)

冬川に鶏毟るころ思い出す(寺の裏を流れる波瀬川で子供の頃、鶏の羽を毟った記憶あり)

大胆に堰きとめ雲出川普請(雲出川を工事中)

     忘年会

老いてなほ激論のあり忘年会(自然保護委員会)

     天白川 

水鳥の寄り添ひながら固まらず

冬川の瀬に集まりし白い鳥

かいつぶり家族のごとく寄り添ひぬ

     十二月

十二月喪中はがきを束ねたる

羽毛服着て一日稿を書く