Dr.ウィリアム・デービス『小麦は食べるな』2013年09月25日

 中日新聞朝刊の広告欄にあった本。以前から気になっていた。モーニングサービスを目当てに喫茶店によく行く知人がいる。その知人は女性であるが、四肢がよく肥えている。見た目はアメリカ人的な太り方なので、何を食べているのか気になった。ちょくちょくモーニングサービスにお供するうちにパン食の所為ではないかと疑っていた。その疑問に答えるような本書である。

 読者の感想から
http://blog.goo.ne.jp/syokujikyouiku/e/64c3be78faa99435bbee3c379b077400

 アマゾンのレビューから拾ってみました。
1なるほど。。。という内容です。読んで損はないかな, 2013/9/5
By年子ママ (東京都) -
「どうしてアメリカでは恐ろしく太っている人をたくさん見かけるのだろう?」という長年の疑問が少し解決されたように思います。確かにアメリカ人の主食は小麦。日本人や中国人は小麦も食べますが、米など他の穀物比率が高いというのも、太り方に違いが出る理由なんだな、と納得できました。
 現在出回っている小麦は品種改良を重ねたもので、それ自体が危ない、という内容もありましたが、国産小麦もやはり同じなのかな。。。アメリカ人医師が書いた本の翻訳なので、その辺のことがイマイチはっきりとはつかめませんでした。

2 健康崩壊の根源なのか?, 2013/9/16
Byポーラーベア (川崎市) -
 精白小麦が体に悪いと言えば誰でも簡単にうなずけるでしょうが、全粒粉の小麦が悪いと言われてもにわかには納得できない。
しかし、読み進むうちに品種改良を繰り返され、遺伝子操作を受けた小麦そのものが、紀元前にあった小麦とは全く違う食べ物に変わってしまったことが分かる。
 高生産性矮性小麦が全世界の99%を占めるようになった今、時間を掛けて人間の体を蝕んでいる。
アミロペクチンAという恐ろしく吸収の早い炭水化物は、甘さと美味しさで人の舌を狂わす。
 そして外因性モルヒネ様化合物となって脳を虜にし、肥満を作り出す。急激な血糖上昇効果は、膵臓からインスリンを分泌させ、2時間後には低血糖を引き起こして、副腎からアドレナリンを分泌させ、脳を攻撃的性格に変身、キレやすくしてしまう。
 小麦タンパクのグルテンを引き金として抗グリアジン抗体が産生されると、小脳のプルキンエ細胞に結合して損傷してしまう。
今まで加齢による運動失調だと思われていたものが、小麦が誘発する小脳性運動失調かもしれない。
 次々と明かされる小麦と関連した疾患。自己免疫性疾患、アレルギー疾患、糖尿病、運動失調、肥満、高血圧、脂質異常症、関節リウマチ、結腸がん、セリアック病などなど。
 小麦によって小腸の細胞をつなぐタイトジャンクションが緩み、さまざまな高分子の抗原が血液中に侵入してしまい、多くの自己免疫性疾患を引き起こしているのではないか?
 アメリカでは既に100人に1人が、このセリアック病に罹患していると予想されている。(そして信州大学から、日本人でも抗トランスグリアジン抗体の陽性率が高い(0.7%)という報告が出ている。)
 医学の努力にもかかわらず激増するこれら慢性疾患の元凶は、小麦かもしれない。
 そんな空恐ろしい妄想を抱かせるに十分な資料を提供している。
糖質制限食の流行は、もしかしたら潜在的毒性のある小麦や白米を、食卓から一気に排除するための、本能的な防衛策かもしれない。
 主食(小麦や白米)という最も基本的な食材を投げ捨ててでも、体を守らなければならないところに、すでに私たちは来てしまったのではないか?
以上

 アメリカの小麦は日本の「農林10号」が親だという。検索すると小麦のお話がヒット。ねずきちさんの文です。長いのでアクセスして読みます。
http://www.yamatopress.com/beautifuljapanstory/5.html

 そんな日本人の弛みない改良の末に美味しい小麦ができたというのに病気になるから食べるな!というのです。
 私はほぼ米食です。たまにパンを食べますが、満腹感がないから沢山食べないと持たない。ご飯は粒食、パン、パスタ、ウドンなどは粉食といいますが、登山では朝食にご飯がないとすぐに腹が減って馬力が出なくなる。沢山食べる方であるが肥満ではない。
 かつて、飯豊連峰を縦走した際、山麓の避難小屋で同じ時間に起きた若者2人はラーメンを食べて出発していったが、私達は生米から炊いていたから1時間遅くなった。3泊4日の重装備を背負いつつ、それでも稜線直下でばてている若者2人に追いついてしまった。粒食と粉食の違いであろう。
 病気になる原因は小麦そのものにもあるでしょうが、小片でも高カロリーなのに何枚も食べ過ぎるからでしょう。その上にバター、マーガリン、ミルクと酸性化した食品を多食する。おまけに肉、肉加工製品の脂肪が追い討ちをかける。生野菜にもたっぷりのオリーブオイル入りのドレッシングをかける。アメリカの栄養学は日本より進んでいるという作家が居ましたが、アメリカ人は無知ゆえに病気が多いからでしょう。2000年の間、日本民族を育ててきた伝統的な日本食には知恵が詰まっています。
 日本人でもご飯を食べる感覚でパンを多食すれば病気に近づくでしょう。
 ここでいま一度確認したいのは、アメリカは必ずしも先進国ではないということだ。日本人は模倣ばかりというが、これはウソだろう。アメリカ人こそ日本から多くの重要な発見、知的財産を盗んでいった。高山正之『サンデルよ、「正義」を教えよう』(新潮社)に詳しい。

 かつては、米を食うと米偏に白は粕だから馬鹿になるというアメリカのプロパガンダがあった。

http://www.junkan.org/main/katsudo2/kyusyoku/americakomugi0307.txt

米を食べるとバカになる?【仕組まれた食の欧米化(12)】
(4)
http://plaza.rakuten.co.jp/shokuikublog/diary/200808290000/

 話は飛ぶが、塩の取りすぎは良くない、という医学的見地も?だという。何でも取り過ぎは良くないに決まっている。その基準が問題だろう。すべての日本人に一律に適用できない。これも製薬会社の陰謀が潜んでいるのかな。メタボの基準も細めに設定を変えて、病気予備軍を増やした。
 日本人(日本市場)は中々アメリカの思い通りにならない。だからプロパガンダで囃す。お調子ものの学者を躍らせて一旦はそうなるが、すぐに化けの皮ははがれる。本書はアメリカ人向けの本で130万部のベストセラーという。アメリカもヘルシーと言われる日本食ブームになるでしょうか。