映画「黒部の太陽」鑑賞2013年09月01日

名古屋市・今池・名古屋シネマテークにて10:30~13:46まで。3時間15分のノーカット版を上映中。1000円。入りはほぼ満席で、多いとパイプ椅子が用意される。

概要はHPから転載。
黒部の太陽
‎190分‎‎ - G 指定‎‎ - 社会派ドラマ‎
監督: 熊井啓 - 出演者: 二谷英明, 宇野重吉, 辰巳柳太郎, 志村喬, 滝沢修, 三船敏郎, 佐野周二, 石原裕次郎, 芦田伸介
黒部川上流に第4発電所を建設するべく、関西電力は社運をかけてダム建設に取り組むことになった。現場責任者の北川の熱意に負けて、父親に代わってトンネル掘りの指揮をとることになった設計技師の岩岡だったが、増える一方の犠牲者と度重なる事故に頭を抱える毎日。それでも北川共々、難所を突破すべく、技 続き »術と努力の限りを尽くすのだった……。石原裕次郎が設計技師に扮した骨太な人間ドラマ。黒四ダムの完成に尽力した人々の姿を、社会派の熊井啓が見事に描ききった。現場責任者を演じた三船敏郎の存在感も素晴らしい秀作だが、石原の遺志により現在までビデオ化に至っていない。

とされてきたが、 ウィキペディアによると

「現在、版権は石原プロモーションが所有している。生前の石原裕次郎自身が「こういった作品は映画館の大迫力の画面・音声で見て欲しい」と言い残したという理由から、長年ビデオソフト化されていなかった。
中略
2012年ごろまでは、当初石原裕次郎が主張していた映画館などでのスクリーン上映もほとんど行われていなかった。とはいえ、裕次郎13回忌など、数年に1回程度、石原プロが関係するイベントで上映は行われている。ただし、「その際も、海外公開用に2時間十数分程度に編集された1時間短縮バージョンを公開している」と監督した熊井などは話している。2013年1月ごろより、ノーカット版の上映を行う映画館がいくつか現れている[4][5]。

2012年1月の石原プロモーション新年会にて、石原プロモーション会長の石原まき子が、「東日本大震災復興支援を目的として、『黒部の太陽』を全国各所でスクリーン上映する」ことを発表した[6]。また、同年3月17日にはBSプレミアムにて2時間20分の海外用短縮版がテレビ放送された。これは実に33年ぶりのテレビ放送であり、ハイビジョン放送は初のことである。創立50周年を迎える2013年3月には、ポニーキャニオンよりBlu-ray(特別版:PCXP50128、通常版:PCXP50129)とDVD(特別版:PCBP-52939、通常版:PCBP-52940)の発売も決定した。」

というわけで、ノーカット版の鑑賞は短縮版DVDのようにいつでも気楽に見られるわけではなさそうだ。

 昭和43(1968)年に上映というから小生は19歳のころだ。破砕帯突破の難工事をめぐるドラマとだけは記憶がある。今日改めて見直すと、まず北アルプスの厳冬期の写真が素晴らしい。
 主演の石原裕次郎は大学山岳部OBの登山家の設定になっている。そのため、イントロでは、裕次郎ら一行が春の立山登山?のショットがあるが、キスリング、8本か10本爪アイゼンがしっかり見える。ピッケルはウッドシャフトで、多分ビニロン製ウインドヤッケ、ニッカーズボンに皮革製登山靴はいまではもう見られない。
 映画の巻頭と巻末には常念岳の左肩に昇る朝明けを描いている。それを「黒部の太陽」としているみたいだが、地理的には少しずれがある。おそらく立山辺りから望遠レンズでのぞくとああ見えるのかな。
 折々挿入される黒部川の清流が美しい。一級の人間ドラマになっているが、画像的にも北アルプスの自然が洗練されて美しく仕上がっている。珠玉の映画作品といえる。