黒部の山旅Ⅱ2013年08月19日

水脈細る祖父沢の源流部
 8/15、朝4時半起床し、5時には朝食。5時40分には沢歩きの身支度を終えて出発できた。少し前に赤木沢を遡行する中高年のパーティが先行していった。今日の目的地は三俣小屋である。そこへ行く登山道は、黒部五郎岳を経由する、雲の平を経由するしかないが、私は黒部川の遡行を選んだ。2009年に上ノ廊下を突破し、薬師沢を遡行して、源流が残ったからだ。
 黒部川源流部には滝や碧淵はないらしい。それでも低温対策はしっかりやった。撥水タイツ+ナイロンのズボン+雨具のズボン+沢スパッツで足もとを固めた。
 薬師沢出合から赤木沢出合までは水量も多く、水勢もある。渡渉には気を使う。周囲は黒々した針葉樹の森が広がる。度々の氾濫で広がった河原歩きである。1時間ほどで、赤木沢出合いの手前の難所についた。以前の赤木沢遡行の学習効果でここは難なく突破できた。出合いはそのまま通過するには惜しい美しい河川美がある。
 6時50分に出合い着。源流と赤木沢の力関係は明らかに2対1で源流が優る。源流には出合いの少し下流に丁度天然の堰堤がある。それで源流は腰くらいの深さの淵ができている。赤木沢の方も単純な出合いではなく、深い淵になって、左岸をへつって溯る。源流と支流が一体となる淵の自然美になっている。ここでは遡行者の大半が記念写真を撮る。私も撮ってもらった写真をPCの起動画面のバックにしている。涼を呼ぶ写真である。
 7時10分。さて源流に向かうのはいよいよ私だけとなった。出合いの深い淵は右岸をへつり、あるいは深みを歩いて溯った。大体、腰くらいの深さはある。そこを突破すると再び河原歩きの世界になる。右岸左岸を渡渉しつつ溯る。
 8時3分、上流から細身の女性と男性が下ってくる。こんなところで人に会うとは!彼らは雲の平キャンプ場から祖父沢(じじさわ)を下降し、これから赤木沢を遡行するという。
 8時30分、小屋から3時間ほどで右から五郎沢の出合いになる。黒部五郎岳から流れている沢ではっきり分かる。地形図には2057mとあり、薬師沢小屋の1912mから145mの比高であるからいかに緩やかな傾斜か分かる。右岸には祖母沢の出合いらしいのが見えるところで地形確認を兼ねて休む。

 すると、空から白い綿毛が舞っては川に落ちている。あれは?柳絮だろう。これが風媒花というものだろう。町では春の季語であるが、高山では8月になる。ネットで見ると山岳俳人と呼ばれた前田普羅は柳絮の句を残している。普羅は自然を直視した俳人だったのだ。若い頃は植物研究会にも入っていたから詳しいわけだ。
 尾根を越す柳絮の風の見えにけり 普羅
 人に来て人に触れざる柳絮かな   普羅
 ひとすぢの柳絮の流れ町を行く   普羅
 ある時は柳絮に濁る山おろし     普羅 

 八月の黒部の奥の柳絮かな     拙作
 初秋や柳絮舞い落つ奥黒部     拙作

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