吟詠!霧の薬師岳に立つ2013年07月31日

折立や老鶯の声遠ざかる

登山口十三重の塔に一礼す

笹原に群れてニッコウキスゲ咲く

笹原にコバイケイソウ群れ咲けり

お前もかゴゼンタチバナここにあり

どの花も慰霊登山の供花(くげ)とせり(五十回忌)

踏みしだく水芭蕉の愛されず

重治の筆なる太郎平小屋(看板)

登山に似ず山にスカートはくなんて

短パンとタイツの多(さわ)に男すら

ビール酌む積もる話の尽きるまで

小屋で飲む酒どころ飛騨の冷酒かな(F氏差し入れ)

登山小屋屋根裏部屋に眠るなり

控えめに咲くやキヌガサソウが好き

木道の薬師平の登山道

熱いお茶飲めば元気に登山小屋(薬師山荘)

遭難の命運の地の涼しさよ(東南稜分岐)

夏霧に閉ざされてゐる薬師岳

登頂や山頂標の前で撮る

夏雲の湧いては昇る有峰湖

遅れ気味の登山仲間を庇ふなり

登山杖のごとき仲間に見られたし