中央アルプスで韓国人グループが遭難2013年07月30日

 朝日新聞朝刊は32面で、中日新聞朝刊は31面で、中央アルプスにおいて、韓国人のツアー登山グループの遭難を報じた。韓国旅行会社が企画したツアー登山で20名(男14名、女6名、年齢は48歳から78歳)の内5人が不明(中日)、9名が遭難か(朝日)、という。日本人ガイドは同行していなかった。

WEB版読売新聞から
長野県駒ヶ根市の中央アルプス檜尾岳(2728メートル)付近で、ツアー登山の韓国人パーティーのうち9人と連絡が取れなくなり、長野県警などは30日早朝から捜索を開始した。

 午前5時頃、宝剣岳近くの登山道で心肺停止状態の男性1人を発見。午前5時55分頃には、濁沢大峰の登山道で、別の男性1人を心肺停止状態で発見した。(2013年7月30日07時13分 読売新聞)

 蘇生すれば良いが。トムラウシで起きた遭難事故を彷彿させる最悪の事態になりそうだ。北陸ではまだ梅雨明けしていない、というから今年は気象変化が激しく、判断が難しい。桧尾岳には避難小屋があるが、北アルプスの薬師小屋から推定すると、気温は10℃以下になっただろうと思われる。防寒着、非常食、コンロ、ツエルトなどの準備は充分あったのだろうか。

 同じ日程、山域に単独で行く予定だった会員も登山中止のメールが入っていた。まして20名もの団体ならば中止が正解だったと思う。

 ツアー登山はメンバー間の連携がなく、経験もバラツキがあり、バラバラになり易い。今回も自力下山した人、避難小屋にとどまった人、宝剣岳まで縦走した人などどういう計画だったの、という驚くようなニュースである。韓国の報道に熱心なNHKオンラインで詳細を報じている。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130730/t10013390041000.html

続報

 桧尾岳の地形図   国土地院のHPから
http://watchizu.gsi.go.jp/watchizu.html?meshcode=53374650

 帰宅後、中日新聞夕刊、ネットで見ると、20名のうち、15名は下山したようだ。行方不明が1名いるという。心肺停止4人の内、3人死亡と伝えられた。いずれも70歳代である。朝鮮半島の地理的な関係で韓国人は寒さに強いはず、・・・との期待も外れた。あって欲しくない事態になってしまった。
 昨年剱岳の登山道でもハングル語の案内を見たから、外国人登山客はよほど増えているんだろうと思う。日本の気象は変化が早く、観天望気が大切だ。中央アルプスは天竜川を暖かい湿った空気が溯り、北からは冷たい空気が南へ吹いて雷雲を発生しやすい。豪雨も並大抵ではない。
 昭和40年の豪雨では廃村・松川入にあった避難小屋に泊まっていた7人が小屋ごと流されて遺体も発見されないまま。あの時、安平路山にいた人は地面に雨が浮いていたという。
 今回も降雨の中を出発して行ったらしい。折角、日本の山へ登りに来たんだからと無理しちゃったんだろう。

コメント

_ (未記入) ― 2013年08月07日 23時35分48秒

中高年は気持ちを新たに、自分を過信しないように気をつけなくてはと拝読し、感じました。

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