飛騨・猿ヶ馬場山スキー登山2013年03月20日

 3/19、愛知岳連の理事会が終わって午後8時。Wさんと西庁舎で合流する。Yさんは先行して、登山口の状況を偵察してもらう。高速に乗れたのは9時前後だったかな。東海北陸道を北へひた走る。白川ICを降りて、道の駅の一角でテントビバーク。就寝は午前1時。午前5時に目覚ましが鳴る。お湯を沸かし、インスタントのウドンを流し込む。
 午前6時過ぎ、Yさんに挨拶し、登山口へ誘導してもらう。白川郷も今は静かである。萩町にある登山口は車1台分の幅のある車道から杉林に続く林道の出発点になっている。そこに辛うじて2台をデポできた。 スキー板にシールを貼って出発。かなり急な斜面であるが、林道をショートカットする先行者のシュプールが残っており、それがルート案内にもなる。急斜面をジグザグに登りきり、林道に上がるとあとは谷の中を登ってゆく。するとまた林道に合うのでしばらくは林道上を歩く。所々デブリがある。
 左に宮谷源流と合う。帰雲山への尾根はパスしてそのまま直進すると、素晴らしい栃の大木、ブナ、その上ではダケカンバの疎林となって絶好の滑走場を提供してくれる。ここをまたジグザグを切りながら高度を稼ぐ。高木泰夫氏の「登山の喜びは登山に要した苦労の関数である」という言葉がよぎる。
 急斜面の登りから開放されて、帰雲山と猿が馬場を結ぶ稜線に出た。高度計が1700m以上を指示して1875mに近づいたことを感じる。視野が広がる。緩斜面の雪原が広がる。山頂は近そうだが、ここからが結構遠かった。前方に先行した2人が止まっている。あそこが山頂か。
 矮小化したシラビソの樹林の間を抜けて、ようやく山頂に立った。残念ながら北アルプスは見えない。白山も見えないが、大笠山らしき山は見えた。三ヶ辻山、金剛堂山も山霞の中に白い美しい山容を見せた。
 登頂はこれで2度目。いつぞやの4月下旬、栗ヶ谷川の横谷から籾糠山へ尾根を辿り、1818m峰を経て登った。下山は雪の詰まった谷を横断して籾糠山に戻った記憶がある。
 近くでは御前岳が見える。1等三角点の山でありながら、『ぎふ百山』、『続・ぎふ百山』にも採用されなかった。近くに猿が馬場山が飛騨高地の最高峰の栄誉を享け、日本三百名山に採用されているため不遇を託つことになった山である。しかも登山道がない。が、登る人は登っている。私は測量のために伐開された藪を分けて登頂した。更にスキーで森茂峠から再登を目指したが、栗ヶ岳で引き返した。登りがたい山である。
 山頂滞在は30分未満。シールをはがして滑降開始。緩斜面のうちはシュプールの跡を辿り、赤い布を外しながら進む。宮谷源流から待望のブナ林の疎林の中の滑走を楽しむ。自在に。あっという間に終わる。後は来たルートをほぼそのまま滑走。登りには5時間半ほどかかったが、約2時間超で下山できた。スキーの威力である。
 萩町を後にして平瀬温泉で一風呂浴びて帰名した。