クマ注意!瀬戸、豊田山間部に出没の可能性2012年09月29日

 拙ブログでは以前にも同様の記事をアップしたことを思い出した。
http://koyaban.asablo.jp/blog/2006/11/30/977032

 今日の中日新聞朝刊県内版に「瀬戸、豊田山間部クマ注意」と大見出しで出没の可能性があるので警戒を呼びかけている。
 「県は、ツキノワグマの出没予測のため、初めてドングリの実りに関する調査を行った」ようだ。
 「調査結果によると、クマの餌となるミズナラ、コナラの県内の実りは「並作」だが、隣接する岐阜県の東濃や恵那地域では「凶作」や「大凶作」。長野県の下伊那地域は「並作から凶作」。このため、隣接する地域では、冬眠に備えてエサを求めるクマが人里に近づく可能性もあるとして、出没に注意し、外出の際には鈴を持つなどして欲しいと呼びかけている。」
 以上の記事から、晩秋から初冬にかけて、奥三河の山を歩くには、注意が必要であろう。先月、分県登山ガイド『愛知県の山』の改訂版にもその件は注意喚起の記事を挿入してもらった。

 昨年、鈴鹿の山でも熊が檻にかかって話題になった。その事件を「岳人」に投稿した。
「岳人 かわら版原稿 題  「鈴鹿山麓の熊騒動」
 長いこと登山経験を重ねてきた人でも熊を目撃したことは稀ではないだろうか。
 私自身を省みても飛騨の漆山岳付近で、木曽の倉本駅の手前で、越美国境に座す屏風山に突き上げる中の水谷でも見た。知人の鈴鹿通を奥美濃の山に誘った際「鈴鹿には居ないが奥美濃には熊がいるからね」と断られた。それが今は鈴鹿にも出没するというのだ。もう今までの常識は通用しないので山の仲間内にも知らせたいものである。
 去る十一月十五日、以下のメールが転送されてきた。「鈴鹿に熊が出没しています。他にも、御在所岳にて小熊の目撃情報があるようです。」にまずびっくりした。登山経験三十数年の私でも鈴鹿山系で熊の出没事件は記憶がない。糞も見たことはない。霊仙山麓で一回発見された記憶はある。
 毎日新聞の記事によると「10月18日午前6時ごろ、東近江市永源寺相谷町の人家近くの山裾で、イノシシのワナにツキノワグマがかかっているのを地元猟友会のメンバーが見つけ、同市に届け出た。クマは体長1メートル、体重41キロの雄で4歳くらい。市は県や東近江署などと協議し、同日中に山奥に帰した。市教委は近くの小中学校や幼稚園、保育園児らの保護者に送迎を呼び掛け、山上小児童20人はスクールバスで帰宅した。以下略」捕獲場所を地形図でチエックすると永源寺ダムから2kmほど下流の相谷の人家の近くの様子である。近くには熊原(神社)なる地名もある。
 帰した、ということは餌を求めて里でまた誰かと遭遇する機会があるだろう。“里古りて柿の木持たぬ家もなし(芭蕉)”という俳句もあるように山里では飢饉に備えて実の生る柿や栗の木を植える。柿を一つだけ残す木守柿は冬の季語であるが熊には格好の餌になろう。だから当局では撤去するように指導している。
 さて我々登山者の心得として以下に東近江市のホームページの注意書きを引用しながら書き添えておこう。」以下略。

 芭蕉の俳句を見て思い出したのは金子伊昔紅の句集『秩父ばやし』の中の「熊 三題」とする作品だ。(句集は息子の金子兜太(朝日俳壇選者)さんがまとめた。)
 子を連れて熊現れぬ山不作
 枝折りて柿挘ぐ熊に戸を閉す
 柿の秋逢へば必死の熊と人

挘ぐ=は”むしる”と読ませるようだが、句では捥ぐとしか読めない。これらの作品を読んで分かったのは熊は山のドングリ類が不作になると、里に下りて木に登り、柿を食べるということである。熊は食欲を満たすまでは落ち着かないだろう。
 今年は要注意ということだ。そういえば、9/23、五竜岳を諦めて雨の遠見尾根を下る際に、「○×△で熊が目撃されました。注意してください。」との地域防災有線?でアナウンスがあった。長野県なら熊の棲息は当然であるが人里に出てこられると困ったことになる。
 熊が出た信濃の山の里は秋   拙作

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