リベンジ成功!春の朝日岳大滑降2010年05月06日

 5/1の夜7時半、名古屋・栄でW君と合流して出発。睡眠時間を確保するために食料は前もって調達したので都市高速から名神、中央道と走り、豊科ICで降りた。一旦R19に出て県道51を行く。夜12時前に道の駅池田に着いて車中泊。

 5/2は早めに出発。1年ぶりとなる栂池高原スキー場に6時には着いてしまった。8時頃まではパッキングや駐車場の移動で時間を過ごす。
8時にはもう長い行列ができた。事前に所定の計画書を書いておいたのでスムーズにチケットが買えた。1720円也。ザックは新調して先週の富士登山でチエックしたが中々機能的だった。今日が2回目の使用である。容量は約10㍑は増えて60㍑になったが荷物を担ぐのは自分だからゴンドラを降りてからが不安になる。

 終点に着いて昨年と同じように自然保護について協力する旨の説明があった。シールを貼って登り出す。たちまち普段の不摂生と運動不足がこたえる。3月の姥ヶ岳以来である。一歩一歩シールをずらして登るが汗が出るような暖かさと強い日差しでへばりそうになる。30分登っては小休止の体たらくである。天狗原に一角に着いて緩斜面になるとやれやれの思いで歩く。昨年と同じようにヘリスキーのポート付近まで行って振り子沢を滑降した。荷が重い割には雪質がいい所為で気持ちよく滑れた。
 
 滑降地点の広大な源頭は自在な滑降が楽しめた。沢が狭まって来ると振り子沢から左の中ノ沢へと尾根を乗り越す。蓮華温泉への車道はすぐであった。昨年に比して積雪量が一段と多い。

 車道を歩くとまもなく蓮華温泉Pに着いた。テント設営、小屋に届けて代金400円/人/日を払う。ザックに入りきれなかったビールも買った。これは450円也。夜は食前に大根おろしとかつお、しょうゆを食べて胃を刺激。富士宮の焼き蕎麦とハンバーグで一やりながら明日の英気を養う。3時半起床、テントではホットドリンクだけにして食べずに出発することを確認。会員のTさんが他のパーティ17人と来ているので情報交換のために面会。朝日岳はきついとこぼす。

 5/3朝3時半起床、4時50分出発。凍結気味でガリガリする雪面を削りながら兵馬平に向かう。ぽっかり空いた湿原の空間はいつも気持ちいい。横断して昨年大いに時間ロスした瀬戸川鉄橋への下降も今回は学習効果であっという間に橋に着いた。橋を渡ったところでシールを装着。約2時間ほどで1367mのひょうたん池まで登る。昨年は文字通りひょうたん形の池に水が溢れるほどあったが今年はまだ雪の窪地のまま。

 ひょうたん池からは昨年下りのルートをイメージしながら登ったがやや山よりに寄りすぎてかえって時間を食った気がする。しかしブナやダケカンバの大木の疎林を行くので雰囲気は悪くない。大きな谷を2回も渡っただろうか。約1時間で昨年引き返した独立標高点1705mの「あきらめ平」に着いた。ここから2418mの朝日岳まで比高713mもある。体力を温存しながら登ってきたとはいえどこまで登れるか。もうあきらめるわけには行かない。

 ここからがリベンジの始まり。まずは1つのリンゴを半分子して食う。すこぶる旨し。体の疲労感が抜けてさあやるぞという気になる。しばらくは平坦な雪原を行くと朝日岳から下ってくる尾根に挟まれた浅い沢に入る。尾根は急なので浅い谷をジグザグしながら登る。1900mの緩斜面になったところで小休止。岩の突起の左を巻いて2100m付近の薮の出ているところでは30分の中休止。ここではオレンジを食す。ここにザックをデポしたい気になるが抜きつ抜かれつしている老童3人パーティにまたも抜かれた。我慢して追随。素晴らしい大斜面が延々続く。

 2259mの尾根に着いてまたも小休止。老童たちはスキーをデポして登頂に向かった。我々はスキーでの登行を続けた。2350m付近は這い松が出ていた。左から回り込んで山頂へと厳しい登行である。

 13:30平坦な山頂の一角に着いた。三角点のある山頂は南向きの所為で雪はない。山頂からのパノラマは絶品であった。白馬岳、雪倉岳、小蓮華、白馬乗鞍岳、深い黒部渓谷を隔てて黒い岩をむき出しに構える剣岳、立山そのほかもろもろ。加えて友人らが登っているはずの妙高火打もよく見えた。山頂の道標には白馬へ11km、蓮華温泉へ10kmとある。よく来たもんだ。

 14:10スキー靴のバックルを締めて滑降開始。ああああ滑る滑るもう一気に1時間でひょうたん池に着いてしまった。登りには6時間はかかったはずである。山スキーの醍醐味を満喫。瀬戸川への下りも何のその。美濃や奥越の雰囲気に似たやや密度の高い林間滑走である。

 瀬戸川鉄橋ではスキーを束ねて兵馬ノ平へ登り返す。小さなミズバショウが咲く。真ん中を小川が流れているが今年はまだ雪の下を流れているのだろう。

 平の端でシールを付けてまた登り返す。蓮華温泉への辛い登りである。17時30分着。会員のTさんが待っていた。小屋でビールを4本買ってテント内で乾杯。露天風呂は午後4時までの受付なので屋内の入浴を済ます。

 さて明日はどうする。一応は予定通りの行動を確認したが余裕の時間がないために食料計画が狂ってしまった。今夜も大根おろし+アルファ。ドライの味噌汁と残り飯を夕飯として食べ、新たな炊飯は5/4用とした。ずいぶん夜遅くなってしまった。おまけに夜来風雨の声ではないがテントがしなるほど強風が吹き始めた。外の観天望気では星空、小屋で聞いても晴れという。5/5は崩れ始めるとのことだった。

 5/4朝目覚める。昨日の弁当のご飯を朝食にして食べる。味噌汁はドライだが味は上々であった。朝はきぬさやを入れてお湯を沸かした。天気悪化の兆しはあるものの今一雪倉岳への偵察も昨年と同じで行く意欲が失せた。足腰も痛みはなく朝日での疲労感は特にない。5/5は観光ドライブにと提案して今日の下山を決めた。小屋に計画変更を告げてテントを撤収した。

 8時過ぎ、木地屋への下山に出発。同時に栂池に帰る登山者も多数小屋を出発した。最初は登ったり下ったり、雪があったりなかったりで中々高度を下げない。基本的に北に向かう道なので低くなっても雪が残っていた。 白池を過ぎて木地屋手前までが長い車道をスキーで下れた。
 大勢の登山者がいたのに木地屋では数名しか居ない。どうもマイカーで来ていたようだ。以前に来たときはなかった蕎麦の店ができていた。平岩に行くタクシー待ちの登山者に無線で呼んでもらおうと声をかけたら同乗を申し出られた。渡りに船と同乗した。駅までは2200+180円の2380円だったから白馬から回ってきたタクシーの運転手は不満顔だ。栂池までは10000円というので続行してもらった。メーターは一旦倒して車までは7900円だった。
 さてどこでテントを張ろうか、と思案。キャンプ場を紹介してもらったが家族向きでパス。猿倉まで北股沿いの道を走ったがまだ残雪が多い。戻って発電所の分岐から北股に入り、不帰ノ剣の見える河川敷の萱の上にテントを張れた。理想のベッドである。
 白馬に戻り、お湯に入りさっぱりする。駅前でビールを購入する。河原に戻って食事。夕食は不帰の剣を見つつビールを飲みながらとった。残ったキャベツの葉でハムを包みビールのつまみにした。デイキャンプさながらである。河原には濡れたものを全部広げて風に当てたし、濡れたテントを乾かした。夜7時には寝込んでしまった。

 5/5は晴れた。天気は気にするほどではなかった。炊いた飯を雑炊にすると増えるので油で炒め、混ぜご飯の素をまぶして綺麗に食べた。最後のドライの味噌汁も旨かった。テントを片付けて白馬を去る。

 R406を鬼無里まで走る。所々の白馬三山の眺めに見入る。堂津岳以来の鬼無里では歴史民俗資料館などに入館。係員が丁寧に説明してくれた。鬼女紅葉の伝説が有名なところである。こんな山間地にしては立派な山車であった。

 次は小川村の北アルプス展望台に向かう。もう時間が経過して霞んでいる。そしてオリンピック道路に下って美麻に向かった。行列のできる新行の蕎麦屋で締めくくった。大町、池田を経由して豊科ICに行く。電光の気温計は30℃を越えていた。

コメント

_ こじこじ ― 2010年05月08日 06時16分30秒

最高の山旅でしたね!苦しさ喜び交互して登頂した朝日岳。その達成感は半端じゃなかったでしょうね。

私もこの日、頸城の焼山で「小屋番さ~ん」と叫んでいましたが、聞こえましたか?

おいしいものを食べ、民俗学に浸り、リベンジに成功し・・・言うこと無し大満足のGW山行。おめでとうございます!

_ 小屋番 ― 2010年05月08日 15時57分41秒

こじこじさんコメント山キューです。
 もう最高のスキー登山でした。往復13時間のやや被虐的な強行軍ですがこうしないと登れない。多くのパーティが自称「あきらめ平」なる1700mポイントで引き返している。ここからまだ比高700mもあるのか、というわけ。
 今回も楽ではないがリンゴで300m稼ぎ、オレンジで200m稼ぐ。最後は気力で登頂でした。1週間前の富士登山の効果があったのかな、と思っています。

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