雪塊の伊吹ぞ照れる魞を挿す2010年02月23日

野見山朱鳥句集(朱)から。
 伊吹山は濃尾平野からも琵琶湖方面からも眺められる。どこから観てもいい形である。但し、2/21に虎子山から眺めた伊吹は西側がセメント材に削られるばかりで悲しい気になる。
 この句は「魞を挿す」が解釈のポイントである。魞はえりと読む。琵琶湖独特の漁法で杭を打ちながら魚を誘導する仕掛けの一種である。作者は旅の途次、かような現場に遭遇した。珍しい漁法を見学すると彼方には雪を被った伊吹山が輝いて見えたというのだ。ドーム形の伊吹が雪の塊に見えるという把握も的確。