痛快!山スキー虎子山からブンゲン周遊2010年02月21日

 2/20夜7時半いつもの栄の中心地でW君と合流する。今日はインフルも落ち着いたせいかいつもより終業が早かったようだ。
 栄から市街地を抜けて揖斐川堤防道路を北上。R303から旧春日村の国見岳スキー場へ左折する。後は一本道である。スキー場のPで待っていてくれたYさんと合流。やっとパーティが揃う。Pでは何かと騒がしいのと下山地点のデポも兼ねて2Km下の尾西へ移動。車内でミニ宴会後12時に就寝。2/21朝3時目覚ましで起きる。(先回の滝波山では中々起きられなかったのに!)お湯を沸かしてラーメンなど食べる。
 身支度して私の車でPへ移動。国見峠への道の除雪地点まで登るが1台先行車があった。ドライバーをヘッドライトで起こしてしまったようだ。Uターンして車はPへ置く。
 4:45ヘッドランプを点灯して除雪地点からシール登行開始。滝波山の雪と違ってよく締まっている。気温が低いせいかシールの滑りもよろしい。林道とはいえいつしか高度があがり夜間照明のライトが明々と照らすスキー場を俯瞰するようになる。大曲を4回繰り返すと一段と高度が上がりあとは峠まで比較的平坦な道のりである。
 5:35江美国境の国見峠は白い闇の中に静まりかえっている。美濃から近江へと微風が吹き抜けている。ああ!これは東風(こち)だ。寒いながらも春の風である。天空には春の星が瞬いている。W君がオリオンだ、と叫ぶ。今日はいい天気になるぞ!という予感がする。新たに国見岳への林道が開通しているし、吉槻への林道も快適そうな雪に埋もれている。
 小休止後、雪明りの峠から痩せた尾根に取り付く。最初はスキーをつけたまま登ったが薮と急斜面とで脱いでしばらくつぼ足で登った。抜けきった辺りで再びスキーを履く。滋賀県側は杉の植林、岐阜県側は雑木林の境を交互にジグザグしながら高度を稼ぐ。尾根が広くなると傾斜も緩くなる。雪は豊かに積もり雑木林を埋める。風も無い。6時30分過ぎ東の空が焼けて見える。春暁である。足元の雪面がキラキラする。ばら色に染まる感じだ。カメラを取り出す暇もなく見とれている内にショーが終わった。
 虎子山への稜線は豊かな雪に覆われていた。キラキラ瞬くような光線を見ながら山頂の一角に着いた。一旦下って登り返すと虎子山である。眺望はもう絶景!見晴るかす白山、奥美濃の山々、御岳、恵那山、乗鞍岳、中央アルプス、金糞岳など。伊吹山のドームも大きく見える。シールを剥がし県境稜線を北上する。遥かなるブンゲンと思うほど遠くに聳える。貝月山は更に遠い。今日一日でスキー縦走する予定である。果たして?
 7:40稜線にトレースはなく処女雪に踏み込んでいく。三角錐のブンゲンへの第一歩だ。あっという間に落ち込んでゆく感じだが急斜面に足がすくむ。おまけにアイスバーンになっている。北西面のせいか冷たい風が辺り雪面も硬い。一旦滋賀県側に逃げてまた県境へ戻った。再びターンを再開するがあっという間に美味しいバーンは終わる。
 シールなしの階段登高や開脚では疲れるので小ピークを越えた辺りでシールを付けた。小さなコブをいくつかやり過ごす。当面の目処としていた1187mの無名の三角点が近づく。あれほど遠い気がしたブンゲンもぐんと近い。1187mは立ち木がなく全山真っ白な雪の台形の山である。まるで「美濃の立山」かと思う。以前もブンゲンからここまで遊びにきたことがあった。
 ここからブンゲンまでの稜線の界隈は天然のスキー場のような別天地が拓かれている。岐阜県側はタケヤ谷とその支流の源流部は雑木林の疎林が拡がる。素晴らしい。一歩一歩スキーを進めるが11時を回ると雪が腐り始めたせいか重くなった。シールも濡れて雪が付着するようである。引きずるようにしながら11時30分、ブンゲンに登頂。予定通り。単独の山スキーヤーが滑降の準備中の他は誰も見ない。以前は登山者が鈴なりの状態だったのに。しばしブンゲンからの眺望を楽しむ。北アルプスまでも望見する。南には鈴鹿の霊仙山、御池岳辺りまでが見える。伊吹山はセメント材料に削られて見苦しい。平野部からは分かりにくいように削っているようだ。
 先を急いで休まずシールのまま滑降する。登り返した小ピークで休止。またもシールのまま滑降し、奥伊吹スキー場の終点まで登る。スキー場からは進入禁止の御触れが立っていた。ゲレンデを迂回するようにブナ林を抜けて日越峠への滑降地点のピークを目指した。この界隈はガスで見通しが悪いと行動は不可能に近いとおもう。
 13時10分日越峠への滑降地点のピーク着。約1200mの平坦なピークで杉の植林になっている。ここでシールを剥がす。靴にセットするが締め具の安全装置が元に戻らずてこずる。そうこうするうちに時間を空費してしまった。この時点で貝月山往復は断念した。
 14時出発。東谷側にダイレクトに下る尾根に迷い込む。戻って日越峠の尾根に沿う沢に滑り込み尾根に上がるが雪質が益々悪くなり足を取られる。おまけに尾根は狭く急なので中段辺りから沢に滑り込み沢沿いに下った。東谷本流に出会ったものの最初は緩斜面の沖積地帯の快適な滑りを楽しんだが両岸の迫る谷相ではスキーを外して2回渡渉を強いられた。
 林道らしき痕跡を発見後地形図にある橋を確認。17:07林道にでた。シールを剥がして除雪地点までは時速10Kmの滑走でファイナル滑走。除雪された林道は徒歩で行く。車道出合で18時。13時間のスキー縦走でした。スキーをデポして車まで戻る。10分ほど。スキー場の車を回収してようやく下山となった。帰りは村内のモクモクの薬草風呂で疲れを癒す。